中学生と高校生の子育て真っ最中、北海道移住歴15年を超えた「なーしぃ」と申します。
今回の話題は、北海道移住をお考えや移住された子育て世代の皆様に、ぜひ読んでいただきたい内容です。
育っていく中で考えたのが「教育環境」です。
全国の都道府県の中でも教育格差という言葉もあるくらい、その水準は違ってきます。
そんな中、聞こえてくる教育水準の高低に、無視できない関係性を見つけました。
それは…
「先生たちの住む教員住宅を見れば、その地域の教育水準がほぼ分かります」ということです。
実際に移住し、子育てをした私の移住者視点の実体験です。移住雑誌や相談会などでは絶対に聞けない内容に踏み込んで書いてみました。
北海道移住後に子育てするようになって、はじめて気づいた視点。ここを見れば、その町の教育水準がわかります
子がいないときは、考えもしませんでした
ですので移住先を検討する際、この視点は考えもしませんでした。
住んでみて15年を越え、子どもが出来てはじめて気づいたことがあったのです。
「地域の教育環境のことを考えて、移住先を考える視点がなかった」ということです。
今回のお話でいう「地域の学校」というくくりは、地元の公立の小中学校とお考え下さい。
学校選び、移住先選び。子どもたちの通うのが大規模校・小規模校で選ぶという視点もあります
皆さんがお考えなのは「大規模校で、集団生活を経験させたい」でしょうか。それとも「小規模校で、自主性を尊重させたい」でしょうか。
大規模校だと集団生活のなかで生活を学び、団体競技もできる。やりたいことの選択肢も多い。運動会の場所取りは親の競争状態。文化祭などでも自分の子の出番はほんのチョイ役程度。「大人数のなかのひとり」に終わってしまうことも。
小規模校だと少人数コミュニケーションとなって集団での生活の機会が少なく、部活動も個人競技に限られるなどのデメリットは正直あります。
ですが行事でも役員でも、多くの機会や役割が各自に与えられるのが必然となり、物怖じしない「みんなが主役」のひとりとなります。
学習面でも「落ちこぼれ」は誰もいません。みんなで教え合って、時には放課後にほぼマンツーマンで担任の先生が勉強に付き合ってくれています。
運動会も和気あいあい、地域全体のお祭り的な雰囲気があり、地域全体で育ててくれる感じがします。
すごくざっくりした考えで恐縮です。どちらがいいかはご両親の考え、子どもさんの性格など多様な要素があって、一概にどちらが良いかということはないかもしれません。
こちらの記事もご覧いただけると幸いです。
北海道に移住する際、市町村別の教育水準を知るうえで、見てほしいのは「教員住宅」です
ズバリ「先生たちの住む、教員住宅を見れば、その町の教育水準はわかります」
大規模校であっても、小規模校であっても。
「地域の教育水準」といえば大袈裟ですが「自分が住もうと考えている市町村が、子どもの教育を大事にしているかどうか」という部分が気になるのです。
子どもの教育は全国一律の「ここまでやろう」という基準があるようです。その中に「地域の特色を生かした」という、ある程度は地域の裁量というのが存在します。
どの市町村の広報やホームページを見ても、どこも「それっぽい、それらしいこと」が書いてあります。それらから推し量ることは、一般人の私たちには難しいこと。
その町が、その町で育つ子どもたちの教育を大事に考えているかどうか。推し量るポイントを、声を大にしてお伝えします。
教員住宅は、学校の先生が暮らす住居です
地方の学校では、通勤が困難な距離に赴任される先生方のために、学校のすぐ近くに住居が設けられています。
東京や大阪、札幌の都市部のような学校では、先生方も近隣から通勤するのが一般的です。しかし、地方では「近隣の町」が20キロ、30キロ先なんてことも珍しくありません。
この住宅を整備するのは、市町村単位で行われています。(管理するのはその町の教育委員会であったりするようですが、つまりのことは市町村が整備しているもの)
最近では自治体・教育委員会が教員住宅を運営せず、民間アパートを借り上げているところもあるようです。
先生方は、ここで「生活者」として地域で一緒に暮らします
教員住宅の多くは簡素な2DK程度のようですが、校長や教頭先生たちの住居は少し間取りが広かったりといった特徴があります。
生徒数減少で数が余った住宅に、縁あって今も住んでいます。
築40年。本当に簡素なつくりで、冬は寒さが身に沁みます(笑)
通勤が困難な先生方はこの教員住宅に暮らし、数年間は「教員」であり「地域の住民」として過ごされます。
夏には地域の住民で教員住宅の周辺の草刈りを行ったり、冬には除雪を行うなどの地域も。
着任・転任時の引っ越しの際は、地域住民で引っ越しの搬入搬出を手伝います。
教員住宅に住む先生方も「地域に暮らす住民」として地域行事に参加したりと、お互いバランスを取りながら、持ちつ持たれつの関係を築いているところも数多く聞きます。
子の教育を行う教員の環境整備を、市町村が大切にしているかが見える
そりゃそうですよね。地域に暮らす子どもたちの教育者として、わざわざ遠くから赴任してこられる先生方です。
そりゃ先生たちも人ですから、テンション上がらないですよね。
そんな先生方への住環境を整えない市町村の子どもたちが、良い教育を受けられるかといえば…答えはおのずと出てくるのではないでしょうか。
現実にひどい住環境をあてがっている市町村があるのです
◎日当たりが悪く、カビだらけとなっている住居。
◎外壁に穴が開いていても、修繕もされない住居。
◎破れた網戸そのまま、幽霊屋敷のような住居。
◎この令和の時代に、水洗設備の無い未だボットン便所。
◎全体的に傾いていて、住めないまま放置されている住居。
◎もっとひどいところになると、あまりにボロくて住めなくなったため教員住宅そのものが教員の人数分足りず、着任する教員が自分で数十キロ離れた賃貸住居を探して通わないといけないとか。
そもそも住めないという…
先生方ももちろん分かっている様で、そんな地域に異動が決まると
となるそうです。
北海道移住の視点、特に子育てをお考えの皆さんへ。住む前に「教員住宅」を見ておくことをおすすめします
これらの教員住宅は、普通に道路を車で走っているだけで分かります。
移住を検討されている方でしたら、住もうと考えている地域の学校周辺を散歩でもされると、我が子が将来通うことになる学校全体の雰囲気を感じられるのではないかと思います。
あえて「どの市町村は…」とは言いません。その市町村内であっても、差を感じることさえありますので。
移住先を検討されている方。こちらの記事の「お試し移住」制度をフル活用して、移住までのプロセスまでもじっくり楽しみながら話を進めてくださいね。
※今回撮影した住宅は「現役の教員住宅」として存在しているものの、現在は空き家となっていることの確認が取れた住居を撮っています。プライバシーへの配慮を十分行っております。
今回も最後までご覧いただき、本当にありがとうございました。
普段は北海道・道東で日常の生活をおくる中で、北海道移住を考えておられる方へ参考にしていただける記事を書いています。
今後とも移住雑誌が書かない・書けない、15年を越える北海道移住の実体験をもとにした移住ブログ『なーしぃのひとりごと』をよろしくお願いいたします。