絶好のツーリングシーズンですね。
私の住む北海道をバイクで走る方も、コロナが明けて一気に戻ってきた感じです。
大型バイクを運転できる免許があっても、あえて小排気量・原付バイクを選んでツーリングを楽しむ、ある意味コアなライダーさんが北海道に限らず全国に増えているそうです。
私も無理せず乗れる小排気量バイクの良さを、北海道に住みながら感じるようになったひとりです。
そこでひとつ、みなさまにお伝えしたいことがあって記事にいたしました。
ファミリーバイク特約では、ロードサービスは使えません!ヤバいですよ!
原付バイクの強い味方『ファミリーバイク特約』実はロードサービスが使えないのです!
「ファミリーバイク特約」の、落とし穴にハマる
数年前のある日の冬、正月休みのことでした。自宅から50㎞ほど離れたところにある中標津町の「開陽台」に出かけようとした時のことです。
天気のいい日が続いていたので、通行量の多い道路では雪もなく、気持ちよく冬の愛車・ニュースメイト90を走らせていました。
30キロほど走ったところで、後輪が急に左右に振られるあの嫌な感覚…
仕方なくバイクを路肩に寄せて、幸い近くにバス停があったため(北海道のバス停は、たいてい雪除けのため小屋のようになっています)そこで保険会社にスマホから電話しました。すると思わぬ一言が…
「お客様は自動車保険のファミリーバイク特約ですので、バイクのロードサービスは対象外になってしまうのです」
これには驚きました。バイクやクルマに乗って20年以上経ち、過去にクルマの整備士として自動車保険も販売していたこともあったのですが、
『バイク保険と違いファミリーバイク特約って、あくまで車の保険のおまけ扱いなので、ロードサービスは使えない』ことを、恥ずかしながら知りませんでした。
とはいっても、おうちに帰らないわけにはいかないし、30キロ近くも押して帰れないし。ましてや冬だし…
保険会社に「有料でいいので」と頼んで、民間のロードサービス業者に1時間ほどで来てもらえました。レッカーしてもらって帰宅したのです。
ファミリーバイク特約という、クルマの自動車保険の特約(おまけ)で加入できるお得な制度なのですが…
まずは『ファミリーバイク特約』というものをおさらいします。
自宅にクルマ(4輪車)をお持ちの方なら、ほぼすべての方が「自動車保険(任意保険)」に加入されていると思います。
その保険の特約(サービス事項)として、年間数千円程度を追加すれば「125㏄以下の原付バイクなら家族で何台乗っていても、クルマにかけている補償内容(対人・対物・搭乗者など)で、こちらも補償しますよ」というのが『ファミリーバイク特約』なのです。
今回お話しするのは
- 原付バイクの補償条項は、ファミリーバイク特約という名称の「特約」。
- クルマの自動車保険(任意保険)についてくるロードサービス条項も「特約」
- 「特約での出来事」は特約でカバーは出来ませんよ。
つまり「ファミリーバイク特約」で補償を受けている原付バイクは「パンクやレッカーなどのロードサービスは受けることができないのですよ」という内容です。
原付ツーリングに、ロードサービスが受けられない「ファミリーバイク特約」だけで出かけるのは、もはや危険です
私の場合は、家で修理してこれにて一件落着の笑い話で終われましたが、これが遠方からやってきたツーリングライダーさんだったらどうでしょうか。
土地勘のない場所で、目指す宿にも着けず、もしかすると帰りのフェリーなどの都合もあるかもしれない…特に北海道は日暮れも早く、峠の何もないところだとリアルに熊の出没の可能性だってあります。
有料のロードサービス業者さんを頼んでも、とんでもなく広い北海道。レッカー業者さんの無い町も多く(あるほうが少ないはずです)、どの町から来て、どの町に運ばれていくか。
後述しますが、JAFだと有料でレッカーを頼むと、1㎞830円です。万単位の出費は必至でしょう。
・原付バイクも、単独で任意保険に加入した状態がベスト
・複数台ある方は、民間のロードサービス会社に加入するという方法もアリ
これらの必要性を共有したいのです。
原付に限らずですが、ツーリング前にしっかり自動車保険を見直して、万全の態勢でお越しください
「JAFに加入」という手もありますが、とにかく無料ロードサービスの距離が短すぎて、北海道ツーリングでは役に立ちません
JAFの無料レッカーサービスの距離は「20㎞」です。
たーったの20㎞です。都市部のトラブルなら問題ないですが、ツーリング先で20㎞なんてあっという間です。北海道だと「次の信号…」まですら到達しないところがほとんどです(笑)
さらに、20㎞以降は「1㎞ごとに830円(税込)」かかります。
JAFに入っていても、超過分32㎞で26,560円の概算になります。
運んでもらっても、それだけで終わりです。帰宅費用も修理費用も、何もどこからも出ません。
後輪タイヤ(チューブタイヤ除く)のパンクのみ応急修理できます。チューブタイヤおよび前輪タイヤ、応急修理できないパンクの場合、けん引・搬送で対応させていただきます。
原付バイクは1台だけ、という方は単独でバイク保険に加入することをおすすめします
1回のトラブルで、財布に致命傷を負うリスクがあると感じたなら「その原付バイクにも、単独で任意保険に入っておくこと」をおすすめします。
ほとんどのバイク任意保険には、
- 100㎞を超えるロードサービスが付帯されている
- 帰れなかった時の宿泊費用や、飛行機を使った帰宅費用までカバーしてくれるものもあります
正直、JAF要らなくなりましたね。これだけでJAF会費の年間4,000円が必要なくなります。差額もそんなに大きな金額にはならないでしょう。
ファミリーバイク特約は、あくまで「臨時的に原付バイクに乗る際の、人への保険」と割り切った考えが必要です。
原付ツーリングを趣味にする方にとって、バイクの任意保険はひじょうにコスパの高い「必要な持ち物」のひとつではないでしょうか。
見積もりだけでしたら無料ですし、ツーリングに出かける前にチェックしてみるのも良いのではないでしょうか。
ロードサービスの内容も含めて、一括見積もりサイトで一気に調べてしまいましょう 。
2台以上の原付バイクをお持ちの方は、何台持っていてもOKのロードサービス専門業者さんという手もあります
こちらは車両保険や傷害保険も付帯された内容で、「ファミリーバイク保険と組み合わせて、何台でもカバーしてもらえる最強のバイク保険をつくってしまおう」的なことが可能になります。
各種保険の部分は外して、ロードサービス単体での加入だと50㎞までのプランが年間5990円です。
ロードサービスというお守りがゼロの状況でツーリングに行くよりは、安心度がはるかに違いますよね!
バイク全体・つまりビッグバイクを想定したサービスですので、正直原付バイクではメリットを感じにくいかもしれません。
しかし原付バイク最大のメリットである、ファミリーバイク特約と組み合わせると、保険がより強固なものになります。
みなさま、お互い安心して楽しめるバイクライフをおくりましょう!