2024年シーズンも、バッチリ流氷来てますよ!
冬の北海道。オホーツク海。
遠くロシアのアムール川で凍った氷が、オホーツク海を渡って「流氷」がやってきます。
- 「いつ、どこに行けば流氷が見られるのか」
だけではなく、
- 「流氷のいろんな楽しみ方」
- 「おすすめの寒さ対策の装備」
- 「網走でしか売ってない・買えない、おいしいおやつのお話」
をお伝えします。
(朝日新聞デジタルさんのYouTubeより。1分55秒ほどの動画です。)
特に、どのサイトにも情報が少ない「駐車場所が確保されている、実際に流氷に触れることのできる海岸へのアクセス情報」を、「地元民だから知っている穴場情報」として掲載いたしました。
流氷が押し寄せるのは、例年2月初旬ごろから
参考にしたい、海上保安庁の「流氷情報」
私が一番参考にするサイトは「第一管区海上保安本部 解氷情報センター」です。
毎日更新されるため、このサイトの情報と翌日の風向きなどでおおよその目途が付けられます。
そしてこのサイトでは「氷の密度」まで表示されます。
大きな氷塊の迫力は「すごい」のひとことです。沿岸まで押し寄せているのなら、その場所まで足を運びたいですね。
「毎日見られる」わけではないのです
残念なことですが、必ず見られるというものでは無いのです。
昨日までびっしりと沿岸を覆っていた流氷が、翌日には風の影響で遠くまで流されていたということもめずらしい話ではありません。
ですので、流氷情報と共に、気象情報などで風向きも気にしておくことも必要になります。
正直、いつ来ていつ居なくなるか、誰にもわからない
「流氷初日」「流氷終日」という言葉があります。
沿岸から海の向こうに白く見える、流氷帯が観測された日が「流氷初日」と言います。
網走での「流氷初日」は、1月22日が平年値です。
そして2024年も1月19日に、無事に紋別・網走で『流氷初日』を迎えました!
接岸した日は「流氷接岸初日」と表します。
網走での「接岸初日」平年値は2月4日です。
※この項のデータおよび写真は網走地方気象台ホームページより出典。2023年値は昨年実績から。
遠く離れた日を「流氷終日」と表します。
「このあたりに流氷が来ることが多いですよ」というのは、2月初旬から3月初旬となりますが、これも確実なものではありませんのでお許しください。
平均値データがありましたので、掲載しておきます。
北海道沿岸の海氷観測(平年値と極値)統計期間:1991年~2020年
地点 | 流氷 | 流氷接岸初日 | 海明け | 備考 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
初日 | 終日 | 期間 | ||||
網走 | 1月22日 | 4月6日 | 75日 | 2月4日 | 3月15日 | 海明け、流氷終日は2021年に観測終了 |
出典:気象庁HP(観測値を網走のデータのみに、改編しています)
どこで流氷がみられるの?触れられるの?→紋別、網走、そして穴場はこちらです
先に述べたように、風向きによってびっしり押し寄せてきている日もあれば、沿岸に遠ざかっている日も。おすすめするのは、沿岸まで流されていても追いかけていく「流氷観光船」に乗る計画を立てておくことでしょうか。
見られる確率UP!流氷観光船は「紋別」と「網走」から就航
オホーツク海を渡ってくる、流氷。
その雄姿を見るためには、流氷観光船に乗ることが一番確率を高めます。
紋別市で就航している流氷観光船「ガリンコ号」は、何といっても大きなドリルで流氷を砕きながら突き進む迫力感。
出典:オホーツク・ガリンコタワー株式会社 公式HPより
1日1便、羽田空港発着便のみ就航している「オホーツク紋別空港」以外の公共交通手段の無い紋別市です。
網走市から就航するのは、流氷観光砕氷船「おーろら」
出典:網走流氷観光砕氷船おーろら 公式HPより
知床連山を背景に、流氷を見られる景観の良さと女満別空港・JR網走駅からのアクセスの良さ、就航数の多さがポイントです。
観光列車・流氷物語号に乗って「網走~知床斜里」間の車窓から
JR釧網本線の「流氷物語号」という観光列車が運行されます。
2024年は1月27日(土)から2月25日(日)までの毎日と、3月1日(金)から3月3日(日)が運転日です。
昭和に製造された「キハ40」系列車にラッピングが施された、2両編成での運行です。
写真はそのうちの1両である、夏に花咲線を走る「森の恵み号」。
流氷の見える海沿いの駅に長めに止まり、海の見える区間はゆっくり走行するといった観光列車です。
指定席もありますが、自由席車両も連結されています。
なお、網走~知床斜里間は普通乗車券が970円。指定席券は別に530円が必要です。
網走駅 | 北浜駅 | 浜小清水駅 | 知床斜里駅 | |
---|---|---|---|---|
1号 | 9:52発 | 10:04着・10:14発 | 10:24発 | 10:42着 |
3号 | 12:45発 | 12:58着・13:08発 | 13:17発 | 13:35着 |
知床斜里駅 | 浜小清水駅 | 北浜駅 | 網走駅 | |
---|---|---|---|---|
2号 | 11:30発 | 11:47着・12:07発 | 12:16発 | 12:30着 |
4号 | 13:48発 | 14:04着・14:24発 | 14:34発 | 14:46着 |
網走駅を出発するなら「1号と2号・3号と4号で往復乗って帰ってくる」でも楽しめますし、旅行に同伴者が居れば、車で追いかけてきてもらうのもいいですね。
知床斜里駅を起点にする旅なら、「2号に乗って3号で往復乗って帰ってくる」以外にも、
9:06発(網走行き)→9:33北浜着 北浜駅で流氷物語1号(10:04着)を待って知床斜里まで折り返す
13:48発の流氷物語4号に乗って14:46網走着→15:10発(釧路行き)に乗り知床斜里15:54着で帰ってくることも出来ます。
知床・ウトロの「流氷ウォーク」
流氷や結氷で凍り付いたオホーツク海の上を歩き、時には海の中に入るという異次元の体験「流氷ウォーク」というアクティビティが、網走市から車で約1時間半ほどの斜里町にある知床・ウトロで行われています。
フリースなどの衣類の上から、専用の防水ウェットスーツ(ドライスーツ)を着ていますので、暖かいし浮力もあり安全。
私も経験しましたが、わざとであっても氷の海に落ちるというのは勇気がいりました。浮いていることや、氷の海に入っていても寒くないという、何とも不思議な感じが入り混じります。
流氷の時期に来られることが出来るなら、ぜひ一度はいかがでしょうか。
流氷ウォークを企画するたくさんの事業所があります。
知床斜里町観光協会のホームページや「流氷ウォーク」で検索ください。
「観光ガイドブックに載っていない」海岸線で、流氷に触れて遊ぶことの出来る場所3選はこちら!
流氷って船から見るもの?いえいえ、触れて楽しむものですよ!
流氷の上に乗って遊んでいるうちに流されてしまい、警察や海上保安庁の救助隊にお世話になるという、一部の非常識な観光客が例年必ず居ます。
観光雑誌が伝えない理由は、おそらくここにあるかと思います。
流氷の上に乗る際は、砂浜に打ち上げられて流される心配のないものを選んでください。
(このブログで使っている写真はすべて、安全面には充分留意して撮影しています)
この記事で知られて現地に向かわれても、決して「非常識な観光客」と同じ行動を取らぬよう、充分ご留意いただくよう、注意喚起をさせていただきます。
網走から知床方面に向かう、国道244号線。斜里郡小清水町
網走のお隣、小清水町浜小清水。JR「浜小清水」駅が併設された道の駅「はなやか小清水」が見えてきたら、道の駅駐車場の手前から踏切を渡って「フレトイ展望台」近辺に車を止めることで、海岸線へ降りられます。このポイントからは、雄大な知床連山を望めます。
斜里市街地から知床方面に向かう国道334号線。「以久科原生花園」
国道沿いにある「以久科原生花園(いくしな げんせいかえん)」への案内看板通りに。原生花園の駐車場に車を止めて、海岸へ出ることが出来ます。ここからも知床連山をバックにした、素晴らしい景色が広がります。
国後島を望む道道950号「野付風蓮公園線」
流氷が根室海峡に流れるときにだけ見られるポイントが、国後島を望む国道244号線から道道950号線、標津町・別海町にまたがる「野付風蓮公園線」の第2しべつ展望パーキング。
国後島を目前に臨むロケーションにあるパーキングで、ここからも容易に海岸線に降りられます。
岸に打ち上げられた流氷です。今年は大きいものが多かったです。
流氷観光に絶対に準備したい、おすすめの靴や装備は「SORELのブーツ」と「防寒テムレス」
外遊びですので「防寒」と「防水」対策には最大限の対策をしたい、ではなく「しないといけない」くらいの位置づけです。
そこで山歩きからワカサギ釣りまで、冬の道東の外遊びを楽しんできた私の、おすすめ道具たちを2つ、紹介いたします。
SOREL(ソレル)のスノーブーツ
動き回るわけでもありませんので、足元の防寒は最大限確保しておきたいもの。
絶対的なおすすめは「SOREL」というメーカーのブーツです。
このビーンブーツ的なスタイル。最近ではいろいろなメーカーから販売されていますが、1962年カナダ発祥のSORELが源流です。
「マイナス40度でも寒くない」とされるのが、最高峰の「カリブー」というブーツ。
寒さは足元から伝わってきます。足元の寒さは、せっかくの外遊びを「ただ辛かった」という思い出にしてしまいかねません。
私も北海道に住むようになって15年。地元の自然ガイドの方から薦められて購入しましたが「冬の外遊びの際は、欠かすことのできない道具」のひとつとなっています。
ソールの部分はゴム、アッパー部は革。内側は脱着可能なフェルトのインナーで足を包み込みます。
絶対的な暖かさが保証されますので「妥協なき寒さ対策」を求められる方には間違いなくこの「カリブー」をお勧めします。
詳しくは別記事にまとめています。こちらの記事をどうぞ。
奥側の女性用は、男性より若干明るい色。ファッションとして街で履く方も多い、人気のブーツです。
手袋は「防寒テムレス」
ブーツは高価なものをおすすめしましたが、手袋は一気にリーズナブルなものを。
これは「実用本位」で選んでほしいのです。
そのため「濡れない、汚れても惜しくない、だけど頑丈」という外遊び用の手袋が1つあるのがおすすめ。
それが、ホームセンターや作業用品店で手に入る「防寒テムレス」なのです。
中綿もあって程よく暖かで、穴が開かない限りは完全防水。かといってスキー手袋のようにかさばらず、とっても柔らか。それでいて2000円でおつりがくるというリーズナブルな製品。
最悪、中が濡れてしまっても裏表をひっくり返して干しておけば、翌日には乾いてくれています。
ちょっと武骨なデザインなのは仕方がないと思ってください。実用本位ですので。あまりにも実用的な色ですので、期間限定で深い緑色もラインアップされるようになりました。
ご購入の際は、夏にも売っている「テムレス」と間違わないようにどうぞ。ボアが付いているのは「防寒テムレス」です。
旅行中でしたら、網走、斜里、中標津のホームセンターや作業用品店で手に入ります。
おすすめする旅行ガイドはこちら
流氷観光だけでなく、たくさんの見どころ・食べどころ・泊まりどころのある北海道。
冬の北海道。気象の影響を受けやすい時期ですが、ぜひたくさん欲張って帰っていただきたいと思います。
こちらの記事で、おすすめする旅行ガイド3選をご紹介しております。よろしくお願いいたします。
流氷観光でに来たなら。網走でしか売っていない「おやつ」の紹介です
網走はあまり知られていませんが、酪農業もさかんなのです。
オホーツクの海風に運ばれた、ミネラルを含んだ栄養素たっぷりの牧草を食べて育った乳牛がたくさん居るのです。
そんな網走で、完全に手作り生産されている流氷の丘カンパニーさんのおやつ「お菓子な牛乳かい?」をご紹介します。
手のひらに乗った四角いのは、オホーツク産のビート(てん菜)糖と網走産の生乳を煮詰め、約5日間の時間をかけて出来上がった「ミルクグラッセ」です。
口の中に入れたとたん、芳醇なミルクの香りとビート糖の柔らかい甘さが口いっぱいに広がり、ほろほろと口の中で溶けていきます。
制作過程など詳しくは、外部リンクですがこちらをご覧ください。
少数生産なので、物産展などではお目にかかれません。『道の駅 流氷街道網走』をメインに販売され、浜小清水や斜里の道の駅でも、売り切れていなければ購入できるという、なかなかの人気商品なのです。
今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。
今後とも北海道移住ブログ「なーしぃのひとりごと」をどうぞよろしくお願いいたします。