北海道・道東地方の「冬」の生活は
- 厳しい寒さと数回の暴風雪
- 基本的には晴天続き。同じ場所とは思えないような、夏とまた違う美しい季節
そんな日々の暮らしです。
大阪から道東に移住し15年。子育てをしながら充実した暮らしの中で学んだ「冬の道東暮らし」をご紹介してまいります。
移住をお考えでこのサイトにお越しいただいた方も。
冬の北海道旅行を予定されていて、こちらにお越しいただいた方にも。
「何を用意したらいいの?」「どんな生活してるの?」「服は?靴は?」「地元民だけの隠れスポットは?」などなど、参考にしていただけるかと思います。よろしくお願いいたします。
厳しく寒い道東ですが、実は雪が少ないのです。
グラフで紹介するのは、季節移住でも人気の釧路市。このグラフをもとにお伝えします。
※釧路の気温、相対湿度、日照時間、降水量、最深積雪の旬別平年値

なお、気象の数値は気象庁および、釧路地方気象台の各ホームページからの引用です。
12月に入りだす頃から最高気温はプラスのひとケタ、最低気温はマイナスふたケタという日が続くようになります。
特に内陸の釧路管内・標茶町や弟子屈の川湯、根室管内の中標津町では釧路より5度ほど気温が低く、本格的な寒さが到来します。
日没も早いため、日が傾きだす14時から15時になると晴れていても気温が一気に下がりだし、16時を過ぎると真っ暗に。
1月1日、釧路市の日没は15:58 「日本一日の出が早い」根室市は日没も当然早く15:52
夕方のはずである16時前には日が暮れるのです。

写真は何てことない通勤の帰り道、別海町の道道123号線沿い。雪が積もる前の牧草地です。
そして「道東晴れ」という言葉があるくらい、晴天率が高いのです。
冬、北海道の気象情報を見ていると「道北と道央は毎日雪が降り、道南は曇りの日が続き、十勝・道東は晴れの日が続く」という天気が多くなります。
釧路地方の気象傾向は「雪が少なく、空気の乾燥した晴天続き。低気圧が来ると大荒れ」の傾向です。
根室地方の気象傾向は上記の釧路地方の説明に加え「北海道内では比較的暖かい地域」と釧路地方気象台のHPで説明されています。(根室市は夏と冬の寒暖差が小さいため、夏は冷涼で冬は暖かいのです)
もちろんポカポカ暖かいというわけではありませんが、家にいると陽射しが暖かで、日中は自動運転のストーブが止まる日もあるくらいです。
夜から明け方にかけては、とにかく底冷え。雪の降り始める頃の12月は寒さに慣れておらず寒さを強く感じ、2月の初旬は時にマイナス20度近くまで気温が下がるので冬はストーブやボイラーを付けっぱなしで就寝という日も。(不経済に思われる方も居られますが、室内が冷え切ってしまうと暖まるまでのエネルギー消費の方が大きいことがあるそうです)
実際に築40年近い我が家も、ボイラーを凍結させたり家の水道が凍結してしまったりしたことも…こちらの記事に書かせていただきました。

降雪量は少なく、初雪を11月の中頃に記録する釧路・根室ですが、積雪となって溶けずに残る「根雪」となるのは12月終わりごろから。

大雪となる日はほとんどありません。平地でもうっすらと雪化粧となった後、日中の陽射しで溶けることを2.3度繰り返します。その後季節が進み、日中も溶けなくなるくらいの気温となったところに、写真程度のやや多めの雪が降り、根雪となっていきます。
この「根雪」あまり聞きなれない言葉かと思います。ウィキペディアには「主に降雪量の多い雪国や降水量が少ない寒冷地で雪が降り積もった後に、雪融けの季節まで雪が地面を覆う(つまり積雪)状態が続くこと」と書かれています。
根雪となる、雪が積もりだすのは釧路・根室では12月の末頃。しかし年によっては、1月の初旬に持ち越されることもあります。2021年は釧路・根室とも平均より2週間近く早い12月17日でした。(札幌管区気象台HPより)

この写真2020年1月5日、根室市厚床近辺で撮った写真です。この年は特に雪が少なかった年でした。冬もバイクで遊べてしまう、そんな年もあります。(寒いですけどね…)

今シーズンも雪が本当に降りません。2023年1月7日 厚岸町・国道44号線の写真です。
ですが、雪が降るときはドカンと降ります。
道東の特徴として「低気圧が来ると大荒れ」となります。

数日前から「来るぞ来るぞいよいよ来るぞ…」と備えが必要に。臨戦態勢です。
職場では勤務繰りや営業先の調整に。自営の方は設備の点検など。
ある年は降雪ゼロの日から初雪が猛吹雪で一気に降雪、そのまま根雪ということがありました。気持ちも体もまだ準備できていなかったので、それはそれは大変でしたね。

風向き次第で吹き溜まって、たった一晩でこうなることも。早朝起きて、数時間の除雪筋トレタイムです。
こうなると、交通網は天候の回復と除雪車の活躍待ち。職場に行けない者も当然居ますし、物流もストップ。ま、これは仕方ないのです。お天気様には勝てません。
車生活が必須の道東ですので、命の危険を感じる状況になることもあります。
実際に数年前、中標津町において暴風雪で命を落とすという、何とも心を痛める事件がありました。車生活で命を守る装備、こちらの記事をご参照ください。

旅行で来られる方は、このあたりのリスクも考えたプランニングが必要となります。
降った後の晴天は、まさに絶景。
嵐が去って、天候が回復したあとの青空は本当に澄み渡った、きれいな青い空が広がります。
雪のコントラストと共に、素晴らしい景色が広がります。
夏の緑も素晴らしいのですが、冬の大自然に広がる冬の光景はまた違った美しさです。

除雪の入らない、冬季閉鎖の道路も独り占め。付いている足跡はウサギかキツネか。

摩周湖第一展望台から登る、摩周岳。冬しか現れないルートで山を登ります。数時間のお散歩ルートです。

網走湖だったか風連湖だったか。子どもたちも大きくなり、外で遊ぶことは少なくなりました。

弟子屈町砂湯。

小清水町前浜。

釧路駅。
自然が遊び場。除雪してつみあがった雪が遊び道具になり、買い物ついでに遠回りすればオホーツク海に流れてくる流氷、白鳥に出会え、普段は丹頂鶴の姿を目の当たりにするのが当たり前のような環境で育ちました。どんな思いで成長するのか、楽しみです。
冬のお出かけは、ダウンジャケットと暖パン、長靴でどこでも行けます。
服装に関しては、完全に真冬装備。ダウンジャケットと暖パンなどの防寒着が定番となっていきます。外にいると足元から冷えてきますので、ボア付きの暖かい靴を履いている方も見かけるようになります。

山を歩くならそれなりの準備が必要ですが、普段の生活ならそこまでの厚着は必要ないです。
観光に来ている方で、過度な防寒をされている方も見かけますがお店や施設などの室内は、しっかり暖房されています。
むしろ簡単に脱ぎ着が出来るものがおすすめ。耳を覆う帽子とボアのついた暖かい靴がおすすめです。
あと、大人は除雪などの作業をする際の装備ですね。
汗をかくくらいのすごい運動量なので、インナーを着込みすぎると暑くなるし動きにくいし。かといって薄いと寒いし。アウトドアブランドの素材を用いたものが軽くて暖かくて蒸れなくてよろしいのではないでしょうか。
私は近頃、すっかりワークマン。(近郊だと釧路、帯広にしかありませんが)
小さな子どもたちは、つなぎのスキーウェア的なものが重宝します。雪の上で座ってもしみて濡れてこない、撥水性のいいものを用意してあげてください。

写真は斜里町のウナベツスキー場。オホーツク海に広がる絶景の流氷を見ながら滑る、何ともぜいたくなスキー場です。
そして流氷が去る頃、少しづつ気温も緩み始めます。降る雪も湿った雪が増え、陽射しが春を感じる暖かさとなって長い冬の終わりを感じだします。冬が長い分、雪解けの季節がうれしいものです。3月の中旬ごろでしょうか。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
冬の道東を感じ取っていただけましたら幸いです。
ふだん私は、北海道が大好きになって、「いつかは北海道、道東に住んでみたいな…」と思われた方が有意義に感じてもらえるようなブログ記事を書いています。
冬の暮らしだけでなく、詳しい暮らしの概要は都度記事をアップしてまいります。下のリンクから、他の記事もご覧いただけましたらうれしいです。
今後とも北海道移住ブログ「なーしぃのひとりごと」をどうぞよろしくお願いいたします。