とてもざっくりと説明すると、食材に粉を付けて揚げる「からあげ料理」のことです。
北海道には「名物」と呼ばれる食べ物がいっぱいありますが、名前だけではよくわからない名物料理『ザンギ』についていろいろ語ってみたいと思います。
また、ザンギ発祥の地である道東「釧路」で『地元民に聞いた、日常使いでよく食べるお店のザンギ』3店とプラス1店をご紹介いたします。
「ザンギ」の名前は、中国料理の名前がベースという説が最有力です
「ザンギ」は、昭和30年ごろに釧路市の末広歓楽街に店を構えていた鶏料理店が、鶏一羽をぶつ切りにして唐揚げにしたのがはじまりといわれている。名前の由来は、店主が中国料理の鶏の唐揚げ「炸鶏(ザーチー/ザーギー)」に運が付くようにと、文字の間に「ン」を加えて「ザ『ン』ギ」と呼ばれるようになったという説がある。
つまり、中国料理が名前の由来となっている説が最有力なのです。
ま、よくある「諸説あります」ってことで。
「ザンギ」発祥の地は、北海道・道東『釧路』です!
ザンギ発祥の地は道東:ひがし北海道の拠点都市『日本三大・夕日の街』釧路です。
第二次世界大戦終了後、アメリカの食文化が日本に普及するようになります。
食用にわとり(ブロイラー)が経済成長によって国民所得の向上を背景として世間に出回るようになり、鶏料理といえば串焼きにしたいわゆる『焼き鳥』が主流だった時代背景があるようです。
そしてザンギ発祥のお店は、釧路にある「鳥松」というお店なのです。
「ザンギ」と「唐揚げ」の違いは、下味の有無にあり
さて、ザンギですが『唐揚げ』との違いは何なのでしょうか。
先程の農水省のホームページには、こんな説明もありました。
北海道では鶏の唐揚げのことを「ザンギ」と呼ぶ。「ザンギ」は一般的な鶏の唐揚と比べ味付けが濃いのが特徴。揚げる前に鶏肉を醤油ベースの甘辛いタレに漬けこんでつくられる。最初に鶏肉を醤油、卵、酒、しょうが、にんにくなどに漬けておき、濃いめの下味をつける。表面がきつね色になるまでしっかりと揚げる。揚げた鶏肉をさらにタレにつけて食べることもあり、タレも各家庭や店によってさまざま。
正直言うと「これはザンギ」「こちらは唐揚げ」という明確な区分はありません。
細かく言い出すと「溶き卵に粉を付けて揚げるのがザンギの特徴」といった調理方法などの区分を示している記事や文章も見られますが、
くらいの感覚じゃないでしょうか。意識して区分している感覚は、正直ありません。
「少し濃い味を付けて、揚げたものはザンギ」と細かい区分はあるかもしれませんが…
鶏肉の揚げたものとは限らない「◯◯ザンギ」がいろいろあります
大まかに言えば、北海道で「◯◯の唐揚げ」は「◯◯ザンギ」といった感じでしょうか。
- タコをの唐揚げは「たこザンギ」
- 鶏の唐揚げをのせたカレーは「ザンギカレー」
- 唐揚げ丼は「ザンギ丼」
といった感じです。
『釧路人』おすすめの「普段使いで食べているザンギのお店3選+1
釧路を代表する「幣舞橋(ぬさまいばし)」です。橋を超えた右手が歓楽街である「末広」界隈。この道を奥に300メートルほど進んだ突き当りが釧路駅という立地にあります。
道東発信の当サイト、発祥の地・本場釧路のザンギにこだわります!
お客さんをもてなす際の特別な店ではなく、
- 普段の生活で「今日はお店のザンギを食べたい時に買うお店」
- 「営業のサラリーマンが、こよなく愛するお弁当の店」など
日常生活で食べている『定番のお店』を釧路の友人に聞きました。
すると、ほとんどの友人が挙げた店が重なったのです。
YamYam(ヤムヤム)の『ザンギ弁当』
ここは誰一人ブレること無く「間違いのないお店」と声が上がりました。
現在、釧路市内に3店舗。帯広や札幌にも分店があります。
過去にはイートインも行っていましたが、今はお弁当専業となっています。
ザンギ弁当。税込み750円という、超リーズナブルな内容です。ザンギは5個。注文のさい「モモ肉」「ムネ肉」を選べます。
『モモ3、ムネ2』という注文にも、巧みに応えていただけます。(値段は変わりません)
そんな方におすすめは、ズバリ「のりから弁当」(580円)です。
人気のザンギが2個。ちくわ天の下に、コロッケが隠れるように入っています。(ザンギで隠れてしまうのです)
もちろん注文時に「モモ」「ムネ」が選べます。
南蛮酊(なんばんてい)の『ザンタレ』
場所は釧路市の隣町・釧路町、JR釧網本線の遠矢(とおや)駅前にあります。
このお店で注文してほしいのは『ザンタレ』(税込み1,200円)です。
写真左は、ごはんとみそ汁をセットにした、普通サイズの「ザンタレ定食」(税込み1,550円)右がザンタレが半分量の「ハーフザンタレ定食」(税込み1,100円)です。
ザンギに特製のタレがかかった『ザンタレ』は、ザンギを出すお店のほとんどで扱われている「ザンギの派生系」料理です。
そしてこの「南蛮酊」さんが数十年前、釧路の末広町で先代がお店を開いていた頃に考案された『ザンタレ』の元祖のお店だと言われています。
ジョイパックチキンの『カレーチキン』
ここで変化球的な「おやつのお店」をご紹介します。
北海道内で40年近い歴史のある「ジョイパックチキン」さん。実は本店は「小樽」にありました。
他にも札幌をはじめ千歳、留萌、網走にも支店があったのですが、いずれも閉店。本店を釧路に移し最後まで営業していた釧路店も、テナント閉鎖によって一旦は消滅してしまいました。
しかし再開の声が高まり、2019年に再開。今は釧路市内に2店舗で営業されています。
右が人気ナンバーワンの「カレーチキン(1つ税別240円)」左がのり塩味の骨なし「ジョイチキ(1つ税別80円)です。
芦野本店では店内でのイートインも可能。チキン単品だけではなく、ハンバーガーやごはん類、ポテトやソフトクリームなどの軽食も楽しめます。
もちろん記事もございます。こちらの記事もお楽しみください。
鳥松(とりまつ)の『骨付きザンギ』
このお店は「夜のみ営業の居酒屋さん」ですので、日常使いと言う部分から外して、プラスワンとして紹介いたします。
このお店こそが昭和30年代、釧路の繁華街「末広町(すえひろちょう)で生まれた『ザンギ』発祥のお店です。
骨付きザンギ(税込み650円)写真は2人前です。
こちらのお店、お店はカウンターのみですので子どもさん連れの方にはおすすめしません。
店員さんも忙しく対応され、注文するのにも顔色を見て気を使わないといけない雰囲気です。
北海道弁で言う「あずましくない」つまり「落ち着かない」のです。
釧路民も、鳥松のザンギは「テイクアウトとして注文して、持って帰って食べることがほとんど」とのことです。
持ち帰りは電話注文で、2人前から対応してくれます。
どうぞ皆さん本物のザンギを、発祥の地である道東・釧路で食べてくださいね。
どうぞこちらの記事もご覧ください。
(この記事の各お店の内容は、2024年7月現在の内容です。随時更新してまいります)
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