移住生活

夏タイヤ・冬タイヤへの交換方法を説明します【北海道移住15年】

タイヤ交換 アイキャッチ
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雪解けが進みだす頃と、秋も深まってくる頃の年二回。

北海道で必ず待ち構えているのが「春と秋のタイヤ交換作業」です。

峠に雪が降ったと聞こえてくる10月中旬から後半に交換し、春先の4月中旬から5月の連休頃までスタッドレスタイヤを履いた車を利用することになります。

そしてまた、春になるとサマータイヤに履き替え、秋にはスタッドレスタイヤに交換します。

北海道では、

スタッドレスタイヤのことを「冬タイヤ」
一般的なサマータイヤを「夏タイヤ」と呼ぶのが一般的です。

(他の地域では、どうなのでしょうか?)

以降、この記事の文中も「冬タイヤ」「夏タイヤ」と省略して記載いたします。

本州の雪の無い地域から、北海道移住を検討されている方。

またはタイヤ交換の不慣れな方で、こちらのサイトを訪れていただいた方へ。

春と秋の年二回の年中行事「タイヤ交換」を、北海道に移住し15年・元自動車整備士の私が説明させていただきました。

何か参考になることがありましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

写真で用いている車は、私の所有する「トヨタ・ハイエースバン」です。

世界中どこでも走っている車ですね。乗用車としては比較的大きいタイヤの部類になりますが、軽自動車でも一般の乗用車でも基本的にやることは同じです。

まず肝心の、交換するタイヤ+ホイールを用意します

まず、タイヤ交換といっても「今乗っている車のタイヤを、冬または夏の間だけ違うタイヤに履き替えるってこと?」とは違うのです。

鉄とかアルミで出来ている「タイヤがはまっているホイールごと、取り替えてしまう」というのが正解です。

タイヤだけ取り替えることも、もちろん物理的には可能です。ですがホイールからの組み付けの都度、タイヤが痛むのです。とても現実的ではありません。

おそらく夏タイヤは車を購入した際についてあることがほとんど。

北海道に引っ越してこられた方や、車を購入して最初の冬を迎えるなどで「冬タイヤセット」の無い方も居られると思います。

そこで、初年度は「冬タイヤとホイールのセット」を買えばOKです。

値段はタイヤの大きさやメーカー、ホイールの素材やデザインなどでピンからキリまでたくさんあります。

ショップによっては「新品タイヤに中古ホイールのセット」などという販売をしているところも。

車に乗って入りやすいショップか頼れる車屋さん、行きつけのガソリンスタンドなどに行き「冬タイヤとホイールのセットがほしい」と言えば解決しますよ。

取り付けも購入した年はそのままお店でよろしく、という感じで。

問題は2年目以降。春にも秋にも、同じ問題が起こります。

シーズンオフにしまい込んだタイヤを、保管場所から引っ張り出すわけですが、

これがほんとに重労働です!気合が要ります。

大きなものになると、1本でホイールを合わせて10キロ近い重さがあり、これが4本。

倉庫から車に積んで、作業場にまず持っていくのです。そして車から降ろします。

交換に用いる道具たちを準備します

なーしぃ
なーしぃ
準備する道具たちはこちら
  • 交換するタイヤ・ホイールセット
  • 自分の車のホイールを止めているボルトサイズのレンチ(車載工具でも、とりあえずOK)
  • ジャッキ(車載工具でも、とりあえずOK)
  • 作業用の手袋(軍手で十分)
  • ボロ布(いわゆるウエス)

 

これだけあれば、何とかなります。

他にも「これがあると、作業効率が違ってイイ!」という物を文中で紹介していきます。

安全な場所を確保して、作業開始です

1.できるだけ平面の、ジャッキをかけてもジャッキの倒れないアスファルトかコンクリートの床面に車を止めてください。

2.サイドブレーキをしっかりかけてください。

3.ホイールにカバーが付いていたら外して、ボルトが見える状態にしてください。(このカバー、ほとんどがはまっているだけです。大きめのマイナスドライバーを「てこ」のようにかければ、ほとんどの場合外れます)

4.手袋をしてから4本のホイールのナット(ねじ)すべてを、レンチで「完全に外さず」緩めてください。ちょっと緩むくらいでOKです。レンチを掛けて、時計の反対周りに回してください。(ジャッキで浮かせた状態だと、ホイールが回ってしまって緩まない場合があります。まだタイヤが接地している状態のときにやっておくほうが「もう一回ジャッキを降ろして、やり直し…」という手間が省けます。

5.「ナットが固すぎて回らない…」なども考えられます。車載のレンチはどうしても短く力が入りにくいので、ホームセンターやカー用品店で売っている「クロスレンチ」をご紹介しておきます。一般的なレンチサイズが4種類使え、ほとんどの軽から乗用車クラスだとこれ1つで扱えます。

(レンチにパイプを掛けたり、レンチを踏んでなどの応用技が多数あるのですが、ここでは割愛させてください)

写真の真ん中、十字のレンチが「クロスレンチ(別名、十字レンチ)」です。

車体を浮かせていきます。安全第一。

なーしぃ
なーしぃ
ここからが安全のためにも、重要です

外すホイールは、どこからでもOKです。仮に、運転席側の右前から、とします。

1.外すホイールの対角線になる場所(運転席のある右前ホイールを外す時は、左後ホイールのこと)に、車輪止めをして車体の動きを止めます。これは必須です。万が一、作業中に車体が動きジャッキが外れたりすると大惨事となります!

これから装着するホイールをかませたり、ブロックなどを置いたり。

私はホームセンターの自動車用品コーナーで売っている「車輪止め」を用いています。

写真では車輪止めは1つですが、前と後側に1個ずつ用いるのが望ましいです。

2.装着するため準備してあるホイールを、車体の下側に半分ほど寝かせて差し入れます。これは万が一、車体からジャッキが外れた際に、人のケガと車体の損傷を最低限にするための予防策です。

3.ジャッキを当てるポイントを探し、ジャッキを当てて車体を上げていきます。お持ちの車の説明書に、緊急時の車のタイヤ交換方法が書かれてあるかと思います。そちらを参照ください。お使いのジャッキの使用方法や、ジャッキを当てる場所が書かれてあるかと思います。

4.車の下をのぞく作業がありますので、段ボールなどを用意いただき、それらを用いることをおすすめします。私は作業用に、クロスレンチの紹介写真にあるような、使い古したバスマットを用いています。クッション性もあり最高です。

5.ジャッキで上げる高さは、外すホイールが地面からほんの数センチ上がれば十分です。上げすぎる必要はありません。むしろ、上げすぎは車体が不安定となるのでお勧めしません。

ホイールを外して、さあ交換です。

なーしぃ
なーしぃ
タイヤが浮きました。これから本番です

1.ナットを完全に外します。外したナットは失くしたりしないよう、ひとまとめにしておきます。(写真の車のホイールは6個のナットで止まっていますが、車によって4個だったり5個だったり違うものの、行うことは同じです)

2.両手でホイールを持って車体から降ろします。

固くて取れない場合は、写真のように軽く蹴ってください。ジャッキアップして不安定なので、軽ーくが原則です。

3.ホイールを外して見えるようになった車体の内側をのぞいて、明らかに油が飛び散ったりしていないかを点検します。(これは正直、車に詳しい方でなければ診るポイントが難しいのですが…)

4.交換するホイールを車体に取り付け、ナットを締めていきます。ねじの前後にご注意ください。写真のように、角が丸まっている方がホイールに接するほうです。最初は指の力だけで締めていきます。指の力だけで回っていかない場合はナットが斜めに入っているかもしれません。いったん外して、やり直すのが賢明です。その後、固くなったらレンチを使って軽くでいいので締めていきます。

5.すべてのナットがホイールに接するくらいまでまわったら十分です。ゆっくりジャッキを緩めて、車体を地面に戻してタイヤを接地させてください。

6.レンチを使って、ナットを増し締めします。これは慣れと経験がものをいうのですが「ギュッと締まってから、さらにもう一回ギュッとくる感覚」とでも言いましょうか。

本来はトルクレンチという専用工具を使って、車種ごとに定められた既定の力で締めていきます。ナットと一緒に写っているのが、そのトルクレンチの一例。他にもデジタル式などいろいろあります。ぜひとも最初は誰かに借りるなどしてこの専用レンチを使い、既定の力で締めた感覚をつかんでおくのがいいでしょう。)

7.締めこむ順番はどれが最初でもいいですが、1つ締めたらその次は対角線上にあるナットを締めていきます。☆を描くのをイメージする方向とお考え下さい。締めあげたら終了です。

この作業を繰り返し、残るホイールも交換します。

なーしぃ
なーしぃ
あとはこの作業を繰り返します

あとはこの作業を他のホイールにも行います。

対角線上の位置に車輪止めの位置を変えて、ジャッキを車体に当ててジャッキアップして。

ナットを緩めてはずして、ホイールを外して交換するホイールをはめて。

ナットを仮止めして、ジャッキを降ろしてナットを増し締めする、ですね。

仕上げのひと作業「増し締め」「空気圧調整」を忘れずに!

なーしぃ
なーしぃ
4本交換したら、あとは仕上げの作業です

交換が終わったら、最後に

「ぜひともすべてのナットが締まっているか、車を一周しながらもう一度確認してください!」

ついひとつ忘れていた、となるだけでも重大な事故につながりかねませんので。

最後に空気を入れて仕上げるのですが、自転車の空気入れでも最近は車・バイク用の口金がついていたりするものの、空気量を見るメーターが無いかと思います。

ガソリンスタンドで合わせるのが、いちばん簡単でしょう。最初は店員さんに聞いて、空気入れの使い方や自分の車の適正な空気量を教えてもらってください。運転席近辺にステッカーが貼られていることが多いです。(月イチくらいで空気チェックを行うと、燃費悪化を防げたり思わぬパンクに気づけたりと、いいことだらけですよ。)

 

そして最後にホイールのカバーをはめて終わりです。空気を入れるバルブを傷めないよう、バルブの位置を確認ください。

これは大変だ、と思われた方はプロにお任せを。

なーしぃ
なーしぃ
ショップに任せるのが、いちばん楽です。

私は趣味も兼ねてタイヤ交換作業を行いますので、専用工具もそろえて行っています。

道具があると、すごく楽になるのですよ。力いっぱい締まっているナットを緩めるのも、機械を使うとほんと簡単に外れてくれるのです。

写真はその道具の一例です。コンプレッサーと言い、圧縮空気で力を入れなくてもナットを外したり空気を入れたりする優れものです

ただ、年に2回のタイヤ交換のためだけにいろいろ揃えるのは、他の趣味で使う方ならまだしも、一般家庭レベルではとても現実的ではありません。

そこで北海道では

「タイヤを購入してくれた方は、初年度タイヤ・ホイール預かり料無料」
「交換作業をされた方は、次のシーズンまでタイヤ・ホイールを無料で預かります」

など、便宜を図ってくれるサービスのお店・整備工場があります。

道具をそろえたり、重いホイールを片付けたりといった手間などを考えると、それらのサービスを利用するのもアリかと思います。

むしろ、そうされている方の方が多いのかもしれません。

私は1回の交換で3000~5000円の費用がかかり、それが春と秋の年2回。複数台の車があればさらに倍と考えると自分でやってしまいます。何かとお金、かかりますね。

他にも冬を迎える前には、冷却液の点検をぜひ。今年、内地から来られたという方や内地からクルマを購入された、こちらも必見です。

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今回も最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
みなさまに参考としていただけたり、疑問解決の一助となりましたら幸いです。

ふだん私は、北海道が大好きになって、「いつかは北海道、道東に住んでみたいな…」と思われた方が有意義に感じてもらえるようなブログ記事を書いています。下のリンクから、他の話題もご覧いただけましたらうれしいです。

今後とも北海道移住ブログ「なーしぃのひとりごと」をどうぞよろしくお願いいたします。

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