移住

【北海道移住】子どもたちの高校進学のリアル。子育て世代に贈ります。

北海道・道東に移住し15年。移住のリアルなお話を書かせていただいています。

今回の話題は「子どもたちが迎える、高等学校への進学」のお話です。

わが子が高校進学するにあたり「北海道の高校進学は、都会とは全く違う特殊な状況」であることを私自身が学びました。

移住をご検討または移住されて子育てをされている方々へ、そのリアルな話題をお話ししようと考えた次第です。

「都会の状況と、まったく違うって?」

と思われた方。本当にそうなんです。

私は大阪府出身。通学出来る高校は公立・私立を合わせると50校くらいはあったかもしれません。(学力はともかくとして、ですが…)

その中から住んでいる区域(学区)が存在しましたので、おのずとその区域から選んで自宅から通うのが当たり前。疑問にも思わなかったです。中には推薦をもらい、その分野を高めるため遠方の高校・寮生活を選んだ同級生もいましたが、ごくわずかという感じでした。

ですが、道東に限らず北海道では「高校進学と同時に、寮もしくは下宿生活をスタートする」というのが決して珍しいことではありません。

「高校に自宅から通学すること自体が、当たり前ではない」のです。

今回はそのあたりを、北海道の実情を含めお話しさせていただきます。

 

中学校までの生活や塾・習い事に関してのお話も記事にしております。

こちらの記事をご覧いただけると幸いです。よろしくお願いいたします。

【北海道移住】子育て「習いごと」事情を知りたい、に答えます。子育てをお考えの世代でしたら、やはり子どもたちにいろいろ期待を掛けたくなるもの。地方に移住すると「子どもたちに習わせたい学習塾や、習い事の機会があるの?」と不安に感じている部分もあるかと思います。 私自身、北海道の地方に移住して15年。現在、中学生の娘と小学生の息子が居る世代です。その不安な気持ちを解決してもらえればと思い、実経験をお伝えします。...

高校は「地元の高校」か「都市部の高校」か

高校の進学先を検討するようになる、中学2年生の頃。

まず始めに「自宅から通えるところに高校があるかどうか」というところを検討します。

この時点で遠く札幌だけではなく道内各地、スポーツ推薦などで内地の高校を選択する子どもも多くはありませんが見受けられます。

住んでいる地域以外の実情も分かるよう、道内の高校のみを紹介した専門誌も季刊で書店に並びます。(しかし…多様性の時代なんですね。かなり攻めた表紙の写真で驚きました)

 

札幌や旭川、函館、苫小牧、帯広、釧路などの「道内の拠点都市」に住んでいれば、居住地からの通学先を検討し、その中から選ぶのがほとんど。

しかし、地方に住むと「高等学校が1つあるか、ゼロか」という市町村がほとんどです。

自分の住む市町村の「地元高校に通う」選択が1つ目の選択肢。

目的や目標があって、最初から「都市部の高校に通う」という選択もあります。

地元に高校が無い町村や、地元に高校があっても徒歩や自転車で通えるような距離に住んでいない子どもたちは「早朝、公共交通機関で通える地元もしくは近隣の高校に行くか、寮や下宿のある都市部の高校を選ぶか」という両方の選択肢が現れます。

住む町によっては「都会に出ざるを得ない」選択肢もある

先に述べたように「自宅から通える場所に、高校そのものがない」ということがあります。

ご存じのように、北海道は公共交通機関がたいへん脆弱で、市町村が整備するバス等も郡部、農村部に行くと細部まではとても網羅できません。(小中学校までの義務教育期間は、自宅前や面する道路までスクールバスが通学を保証してくれます)

車社会の北海道ですので、自分たちでその手段を持ち合わせていない高校生が通学する場合、最寄りの駅まで家族の送迎が必然となります。

登校日は毎朝、列車やバスの時間までに駅まで送り、帰りの時間には駅まで迎えに行く。

晴れても雨でも、暑くても寒くても、雪が降っても。

とある道東のJR駅の時刻表です。通学・下校の時間帯に合わせて列車やバスが運行されることが多いです。

都会のように、後続の列車などすぐには来ません。乗り遅れたら、そのまま学校まで送っていくことに。

これがご家庭の事情などで出来ない・難しいとなって、地元の高校には寮や下宿などの施設が無いとなれば、それらの施設のある「都市部の高校」に行かざるを得ないことになります。

 

「地元に残らない」選択肢を選ぶのはなぜ?

市町村ごとや学校単位の数値を持ち合わせていないので恐縮ですが、半数以上の子どもたちが高校進学と同時に地元の高校を選ばず、都市部の高校を選ぶ傾向にあるようです。

やはり地方都市や都市部に住まない子どもたちは、何らかの我慢をしているように感じています。

今はスマートフォンなどが普及し、中学生ともなるとほとんどの子どもたちが所有するようになっていますので、多くの情報が地方に居ても得られるようになっていますので、

それらで多くの情報を得て、多くのことを経験してみたくなるのは必然。

より高い学びなのか、部活動や放課後に過ごす友人との時間なのか。

 

『地元では、取捨選択が出来ない』からではないでしょうか。

学びたい専門課程もなければ、やりたい部活動も地元の高校には無い。

限られた時間の列車やバスで学校に行って、限られた時間の列車やバスで家に帰ってくるだけの繰り返し。

 

イオンタウンなどの商業施設も無く、ラウンドワンのような娯楽施設もない。映画館もカラオケもない。町や村に若い子たちが集まるのはセイコーマートやセブンイレブンくらい。

少し…いや、寂しすぎるように感じてしまいます。

親の私から見ても、高校生という多感な時期だからこそ、子どもたちだけでいろんな経験をしてほしい。そして学んでほしい。ある程度の刺激を受けて育ってほしいと感じるのです。

これは中学3年生の、修学旅行に出かける際の見送りの一コマ。ちょっと大きい家族旅行気分ですね。このこじんまりした雰囲気、安心は出来るのですけど。

「地元の高校」「都会の高校」進学するうえでのメリット・デメリットは?

地元高校を選ぶメリット・デメリット

【費用負担の軽減策が望まれる】

地方の高校は毎年定員割れが続き、毎年のように存続の議論がされている高校も珍しくありません。

そのため「地元の高校を選んでもらえるよう、至れり尽くせり・ありとあらゆる支援」がなされている高校もあります。

・給食の導入、町の補助で無料化

・寮の整備、下宿先の確保

・通学バス定期券の全額補助

・制服、部活動、修学旅行にかかる費用の一部から全額補助 など。

(これらはどの高校にもあるという訳ではありません。)

子どもたちのメリットというより、主に保護者への金銭的負担軽減でのメリットが大きいです。

 

【受験が事実上無い】

「無い」というのは語弊があるかもしれませんが、願書さえ出せば「落ちる」ということはまずありません。受験当日欠席したとしても、通学の意志があれば合格通知が届きます。もしくは何度でも受験の日程を調整してくれます。

町唯一の高校ですので、必ず受け口となってくれます。

選抜されることが事実上無いまま、意欲があろうとなかろうと、みんな横一線で高校生活がスタート出来るのです。

これを子どもたちや保護者がメリットと感じるか、デメリットと感じるか。これ以上はここでは差し控えます。

【やりたいことが限られる】

ほとんどが定員割れの高校ですので、特色ある学校づくりに活路を見出す高校も多いです。

有名なところでは

三笠高校の食物調理科・調理部

美唄聖華高校・稚内高校の衛生看護科

奥尻高校のスクーバダイビング授業、町おこしワークショップ

標茶高校の酪農・食品・地域環境学習

これらの学校には、道内各地や中には道外からも生徒が来ます。地元の方たちもたいへん熱心に活動をサポートをされているそうです。

しかし、存続するのが精いっぱいという町村の高校ではそれらを期待するのは難しく、人数的な問題などから部活動もどうしても「あるものから選ぶ」となってしまいます。

高校卒業後の将来を見据える子どもたちや保護者の中には、あえて地元高校への進学敬遠の選択をする方々が出てくるという訳です。

都市部の高校へ通うメリット・デメリット

【大人数の社会活動の経験】

メリットとしては、地元だけではなくやはり同じ考えや志で集まってくる同級生も多く、これまでに接することの無かった多くの交友関係が持てるということがあると思います。

特に地方に住んでいると、常に同じ少人数の限られた交友関係となりがち。それら人間関係も学びだと思います。

多くの同級生たちと高め合い、高校生活とその先に向けて多くの経験が得られることが大きいのではないでしょうか。

逆にデメリットもここにあります。多くの交友関係を持つことが経験に無いこともあって、それらをギャップに感じて学校生活が辛くなってしまったり、寮や下宿での生活に馴染めず地元に戻ってくる子どもたちがいるのも事実です。

これも経験かと思いますが、本人も保護者もいろいろな考えが生じてしまうでしょう。

【遠くに住む子どもへのサポートの継続】

都市部の高校に行くと、学校の寮もしくは下宿先からの生活が必然となります。

高校生。まだ未成年ですのでいきなり自活といってもそこは保護者のサポートがまだまだ必要。

土日になると遠く離れた子どもたちのもとへ、1週間分の食事を届け部屋の掃除と洗濯をして帰ってくるという保護者も居ます。

病院受診が必要になれば、緊急の呼び出しも。(特にここ数年のコロナ騒ぎでは、寮や下宿先でクラスターとなって右往左往するケースも多く見受けられました)

本気で遠くの高校寮からお迎え連絡があって、片道500キロを当日迎えに行くために仕事を休んだ同僚もいました。(ま、それが出来てしまうのも北海道ならでは)

 

 

いかがだったでしょうか。

北海道の地方都市に住む高校生たちは、ともすれば都市部に住む高校生よりも早いうちに大きな転換期を迎え、自活して順応していく経験が必然となっていくのです。我が子がどういう選択肢を選ぶかはわかりませんが、わたしも一人の父親として、しっかり支えてあげたいなと思います。

 

ふだん私は、北海道が大好きになって移住を意識するようになった方や検討されている方から、実際に移住を始めた方までが有意義に感じてもらえるようなブログ記事を書いています。

詳しい暮らしの概要は都度記事をアップしてまいりますので、下のリンクから他の記事もご覧ください。

今後とも北海道移住ブログ「なーしぃのひとりごと」をどうぞよろしくお願いいたします。