北海道も3月になると、まだ雪の日があるものの「春の近づき」を感じさせてくれます。
11月頃から雪に閉ざされ、寒い冬を過ごした北海道民。春の訪れを待ち遠しく思っています。
普段当たり前のように生活していると、なかなか表現することのない生活感です。
北海道・道東に移住し、15年以上になります。大阪出身の私ですので、雪も降らない、年中変わることの無い景色を見ながらの生活をおくってきました。
皆さんにも、北海道・道東の春の移ろいを感じていただけると嬉しいです。
道東の春。気温も上がり、雪どけがすすみます。
最高気温がプラスの日が続きます
季節の話題を説明するとき、良く用いるグラフがこちらです。
釧路地方気象台HPから引用しているのですが、道東の拠点都市「釧路市」の一年を通じての気象データです。
平年値ではありますが、3月になると最高気温はプラスとなります。
4月の上旬になると最低気温もプラスとなることで、残っている雪も日中の陽射しと共に、どんどん溶けていきます。
※釧路の気温、相対湿度、日照時間、降水量、最深積雪の旬別平年値
なお、気象の数値は気象庁および、釧路地方気象台の各ホームページからの引用です。
服装も靴も、一気に春の装いへ
スーツでの出勤であっても大切な訪問先へも、長靴がマストな冬の北海道。
履く靴も長靴から、スニーカーや革靴へと変化していきます。
「どんな服を着ていても、長靴履いていたら良かったので気楽だったのに」という思いから、ほんのちょっとだけ残念な気持ちになったり。
服装に関しては、もう少し冬服が必要な時期が続きます。特に3月から4月上旬の朝晩はまだまだ気温がぐっと下がります。
しかし日中は上着を脱ぎたくなるほど気温の上がる日も。
服装選びに困ることもありますが、春の訪れを感じさせる、うれしい悩みでもあります。
雪解けが進み、花が咲き出します
雪解けの中から、まず最初に目につくのがフクジュソウ。アスファルトの継ぎ目から力強く、誰よりも春を待ちわびていたかのように、鮮やかな黄色い花を咲かせてくれます。
4月ごろになるとフキの芽(フキノトウ)が顔を出し、木々が緑の芽を出しはじめます。
月の中頃になると家の軒先では、物干しざおに洗濯物が泳ぐように。その足元ではシバザクラが満開となり、同じころにタンポポが鮮やかに広がっていきます。
道東、春になると楽しみな「旬の食材」が芽を出します。
ふきのとう
雪の残る道路の路肩に、無数に芽を出すフキの芽・ふきのとう。
写真のものは花が咲いてしまっていますが、まだ花の咲く前、つぼみの状態のものを刈り取り「天ぷら」や「ふき味噌」として食卓に並びます。都会のスーパーでは、売られているようですね。
ほのかに青みというか、春の味と言いましょうか。
行者にんにく
北海道では俗に「アイヌネギ」「キトビロ」と呼ばれる山菜で、野生のものは強烈なニンニク臭があり、滋養強壮に良いと好む方が多い「春の味覚」のひとつです。
臭気や味が強すぎることもあってか、地元の方も好き嫌いが分かれるのが、行者にんにくです。
採れるのは、雪が溶け切る寸前の4月中旬から終わり頃がベストシーズン。雪解けで湿っている雑木林の中や、小川の縁に群生しています。
そのまま焼いて食べても。天ぷらにしても。
小さく切って小瓶に入れて、しょうゆで満たして「醤油漬け」でも。
行者にんにくについては、別記事がございます。こちらからどうぞご覧ください。
ウド、ワラビ、コゴミなども
その他にも、道東ではちょっと路肩を見るとウド、ワラビ、コゴミ、フキなどが当たり前のように顔を出します。
大好きな方には、それはもうたまらないようです。早朝から道路わきで山菜取りをされる方をよく見かけるように。
「たくさん採ったから、少しだけど置いていくねー」とのご厚意が集まってきます。
そんな時には、北海道の各家庭にかなりの確率で存在する「単体の冷凍庫」が活躍します。こちらの記事に、詳しく書いております。どうぞご覧ください。
春になると、エゾシカの姿が変わる道東です。
あえてこの「春」の話題で、エゾシカの話をするのは訳があります。
道東では見かけることの多い、エゾシカ。郊外をクルマで走ると、見かけない日は無いというくらいお目にかかります。
そのエゾシカ。冬と春では季節の移り変わりとともに、大きく姿を変えるのです。
ツノが取れるのです
オス鹿についているツノは、4月から5月初旬にかけてポロリと落ちて、毎年生え変わるのです。※オス鹿に生えており、メス鹿にはありません。
このツノ。写真にもあるように相当大きく、重量もあります。この時期の鹿は、片方だけツノが残っている鹿の姿が見られることも。春特有の姿です。
山菜取りの方やトレッキングが趣味の方、林業関係者さんや牧草地を管理する酪農家さんなどが拾われていることが多いです。
毛が生え変わります
このエゾシカ、夏と冬は体の色が違います。毛が生え変わるのです。
秋ごろに生え変わる毛は暗い色で、日暮れも早い冬季の夜ともなると本当に見えづらくなります。道路を横断しているエゾシカの発見が遅れて、大事故につながることも。
春に生え変わると、明るい茶色となって愛らしい姿となります。衣替えをしたエゾシカの跳ねている姿を見ると、新緑と共に春を感じさせてくれます。
人も動物も、みんな活動的になってくるのが春の道東です。
バイクの走る姿を目にするように
バイクの愛好家たちが、待ちわびたように冬眠から目を覚まします。
こちらの記事にも書いていますが、早ければ3月頃から整備を始め、4月頃には初乗り。
ゴールデンウィークにもなると、一斉にライダーたちが街に・峠に・観光地に繰り出します。
通年の恒例行事、夏タイヤへの交換
北海道では春と秋に、季節のタイヤ交換という通年行事が待っています。
毎年、早い方だと4月の上旬に。峠越えを計画している方でもゴールデンウィーク明けには、冬タイヤから夏タイヤへ交換するのが一般的。
これがなかなか手間のかかる作業で、自分でするのも一苦労。車屋さんに頼む方も、予約をして、当日タイヤを自宅の倉庫から運んで車に積んでと一苦労。
この作業を終えると、冬じまい終了といったところでしょうか。
タイヤ交換の方法については、こちらの記事に詳しく書いていますのでご覧ください。
また、交換した冬タイヤの保管やタイヤの寿命などについては、こちらの記事をご参照ください。
畑の農家さんも、酪農家さんも忙しくなります
畑の農家さんは、オフシーズン終了。雪解けを促すため、雪の残った畑に融雪剤を撒く姿も見られるほどです。
酪農家さんは生き物を飼育されていますので完全オフシーズンは無いものの、広大な牧草地に育つ牧草の手入れが始まります。
雪が溶けて牧草が育ち始める前の4月末から5月にかけて、牧草地を軽トラックやバイクなどで点検。整地の状態だけではなく「シカのツノ」の項で述べたように、シカのツノが落ちていないかも見ています。
(肥料撒きや牧草収穫の際、トラクターなどに巻き込んでしまうことで、甚大な被害が出てしまうのを防ぐためです)
春から季節は初夏を感じさせるよう、移ろう道東です。
桜前線は、5月の中旬にやってきます
桜の花は、道東ではゴールデンウィークが終わった5月の中頃。私の住む根室管内が「日本最東端へも桜前線が北上、桜が開花しました。」となる地域です。
道東では「エゾヤマザクラ」を中心に、低い木に広がるよう伸びた枝の先に咲く「チシマザクラ」がメインになります。
桜が満開になる頃には、北海道は遅い春の真っただ中。時々雪景色の桜を見るという年もある寒さですが、待ちわびた分、長い冬を終えた喜びは格別です。
チューリップも咲いて、春から夏へと移っていきます
桜が満開に咲くころには、満開のチューリップをたくさん見ることが出来るように。
5月の終わりから6月にかけて。日中は汗ばむ陽気になります。
季節は夏を感じさせる、そんな日々へと移っていく道東です。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
私は、北海道が大好きになって「いつかは北海道、道東に住んでみたいな…」と思われた方が有意義に感じてもらえるようなブログ記事を書いています。下のリンクから、他の話題もどうぞご覧ください。
今後とも北海道移住ブログ「なーしぃのひとりごと」を、よろしくお願いいたします。