ツーリングライダーの聖地、北海道。
長い冬を終え、3月頃になると昼間の最高気温がプラスとなり、道路の雪も一気に解け始めます。
何度か水分混じりの重い雪が降って、そして晴れると雪解けが進みます。
その雪が溶けると、いよいよバイクシーズンの到来です。
3月に入ると、ライダー自身が冬眠からの目覚め。
本格的な始動は、4月中旬。
ゴールデンウィークは、寒さ対策を万全に。
北海道ツーリング歴10年。日本一周旅の後に北海道・道東に移住し15年。バイク歴30年の私が現地からお伝えする「現役ライダーの、生情報」です。
北海道ツーリングはいつから?道内ライダーは3月に入りだすと、バイクシーズンに備えて動き始めます
雪の少ない道東や道南は、若干早め
雪解けと降雪を繰り返す3月。アスファルトのすき間から、福寿草が力強く咲き始めるのを見ると「春が来たなあ」と感じさせます。
特に冬の降雪量が少なく、晴天率の高い道東の太平洋側。
気温の上昇が早い道南の太平洋側地域。こちらはライダーの「冬眠開け」も他の北海道地域より必然的に高いようです。
3月の初めごろに道北・旭川の友人と話すと
という会話になります。
この頃には冬眠していたライダーも、冬眠させていたバイクも準備開始。
バッテリーを補充電しながら、ホコリをはらって。空気を入れて。チェーン給油もありますね。
完全防寒をして、エンジン始動。近場の試運転に出かけます。
この頃は、朝晩の道路凍結に注意です
路肩の雪も解け、ふきのとうの芽を見るようになるころは「道内ライダーが独り占め」して走っています。
朝晩はまだ、平地でも氷点下近くまで気温の下がるこの時期。日陰の道路が凍結している可能性も残ります。
そのため山道や峠は避け、幹線道路を「日が暮れるまでには帰る」というのが中心になります。
本格的な目覚めは、4月の中頃です
「あ!先を越された!」と思ってしまいます
乗り始めが遅くなったりすると、他のライダーが走り出している姿を見て「あーっ、先越された!」と妙にあせってしまいます。
筆者は道東の小さな町・別海町に住んでいますので、町唯一のホームセンターに交換用のオイルを買いに行くと、見事に売り切れていることも。
大きな町までバイクに乗ってオイルを買いに行き、帰ったらエンジンの温まっているうちに交換。こんなことが何度かありました。
バイクショップに預けている方も、お引き取りの時期
預けているバイクも整備してもらって、電車やバスで取りに行ってそのままシーズン初乗りというのもこの時期。そうして道内中のライダーが一気に動き出します。
この頃は自分で保管していたバイクも整備で持ち込まれるようになり、バイク屋さんは繁忙期となるとのこと。
そのままバイク屋さんは、冬にバイクを保管していたスペースで今度は除雪車の整備・預かりに入るところもあるようです。
北海道ツーリング。ゴールデンウィーク頃には、一気にシーズンインです
道東ツーリングのメッカ・知床横断道路が開通
道東の地元ライダーは、美幌峠か知床峠に自然と呼び寄せられるように、足が向かいます。
この時期の道の駅「ぐるっとパノラマ美幌峠」の駐車場は、道内道外の2輪4輪・レンタカーでそれはもうあふれかえっています。道路向かいの、普段空き地の臨時駐車場もいっぱいになります。
知床峠は毎年ゴールデンウィーク前の開通を目指し、除雪が行われます。開通後も天気が悪いと頂上付近は積雪・凍結となるので通行止めになることも、この時期は覚悟しないといけません。
写真はゴールデンウィークの知床横断道路。開通したてのこの時期は、天気が良ければ寒い方が視界も開け、真夏よりも絶景です。もしアタックされる方は、前日、いや当日の気象情報と道路情報をお確かめください。
私も特に冬場によく使う北海道開発局のサイト「北海道地区 道路情報」は、とてもおすすめです。
キャンプ場もオープンするところが増えます
水道凍結の可能性がある間は、オープンしていなかったキャンプ場。この頃にオープンというところが増えてきます。
この時期は防寒対策が必要ですが、飛ぶ虫も居ません。ハイシーズンである夏ほどの利用客も居ません。特にゴールデンウィークに北海道を走ろうと来られる方は、ベテランさん・リピーターさんが中心ですので、キャンプが目的の方も多いかと思います。
人気の観光地・宿・往復の飛行機・フェリーは混雑します
このゴールデンウイーク頃から、一気に北海道は観光シーズンに入ります。
人気の観光地は道内外の観光客でたいへん混雑し、宿も交通機関も予約が取りにくくなります。来道の際はぜひ余裕をもってお越しください。
特に自身のバイクを積んでフェリーで来られる方は、この時期とお盆休みの期間中は予約が取りにくくなります。
貴重なゴールデンウィーク休み。フェリーで過ごす時間を減らし、北海道で楽しむ時間を増やすのも選択肢のひとつかもしれません。
こちらさんも、一気にシーズンインします
この頃になると降雪することも減り、4輪車はスタッドレスタイヤから夏タイヤへの履き替えが盛んとなります。
そうなると、郊外路線を中心に速度が出がちに。事故も増え、速度の出やすい北海道では1つの事故が重大な事故となります。
地元民ならみんな知ってる「あそこは事故も多いし、気を付けろ」ポイントには抑止力のため、パトロールの巡回頻度が高まります。
かっ飛ばしても、信号の少ない北海道。目的地に着くまでの時間も、大して変わりません。こちらの記事もご参照いただき、どうぞ安全運転で楽しんでください。
北海道ツーリングには服装注意!降雪注意!忘れ物注意!まだまだとても寒いですよ
極寒装備で、来てくださいね。
ゴールデンウィーク時期の北海道、まだまだ気温は朝晩ひとケタも珍しくはありません。
来陸部や標高の高いところでは、氷点下まで下がることも十分ありえます。
感覚で言えば「内地の真冬装備」がいいと思います。
ウィンタージャケット、オーバーパンツ、冬用グローブでしょうか。
中に着る衣類などは、道内の拠点の町にユニクロくらいはありますので何とかなります。
しかし、バイクの専用品となると道内で展示販売している用品店は札幌に数店程度。
備えあれば、憂いなしです。
予定変更も視野に入れて
峠の降雪、凍結も考えたスケジュールも欲しいところです。
旭川と北見を結ぶ国道39号線「石北峠」、上川層雲峡から十勝ぬかびらを結ぶ国道273号線「三国峠」は標高が高く、気象条件・道路条件の厳しい道路。
先に述べた国道334号線「知床横断道路」も知床特有の気象条件で通行止めとなることも多く、ゴールデンウィークの頃は凍結のおそれもあるため朝9時~夕方17時までの通行となることがほとんどです。
他にも雨が降るとなだれの危険性が増し、道内の各峠が通行止め規制がかかることもあります。
そのため、予定変更には柔軟に対応することが求められる、この時期の北海道旅です。
忘れ物はありませんか?
- 防寒具
- 愛車のワイヤー、レバー類
- 万全のロードサービス
これらは安心のツーリングのために、特に遠方から来られる道東ツーリングライダーさんには、ぜひともおすすめしたい内容となっています。
こちらの記事も、ぜひごらんください。
北海道のツーリングシーズンは、10月ごろまでがベストでしょうか
たくさんのライダーが訪れる北海道。さらに「北海道らしさ」が感じられる道東です。
6月に突然、内地と変わらない、それ以上の暑さが何日か続きます。
この頃からツーリングのトップシーズン・夏真っ盛りとなります。
8月のお盆を過ぎたころから、一気に秋が近づき始めます。
「いつまで乗れる?」については、別記事で詳しく書いています。こちらの記事をご覧ください。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
今後とも北海道移住ブログ「なーしぃのひとりごと」を、よろしくお願いいたします。