北海道で生活するうえで、絶対に避けて通れないのが「冬道の運転」です。
特に公共交通手段の脆弱な道東に住む私にとって車は、生活するうえで欠かせないものです。通勤や買い物、子どもの送迎などにも車が無いと生活は成り立ちません。
夏場と違い、冬の道路を走るのは緊張します。もちろんスタッドレスタイヤやスノーワイパーは必須です。
それだけではない「雪国の冬を走る車に準備しておきたい・備えてほしいもの8選」を説明いたします。
自動車整備士としての経験と、災害支援ナースである現役看護師の私が、北海道に移住した15年間で得た実生活の経験・体験を交えながらお伝えいたします。
今回は前編・後編に分けて記事にいたしました。この記事は前編となります。後編の、車に準備しておきたい「命を守るための備え7選」へのリンクは、本文の最後にも設けてございますので、ぜひそちらもご覧ください。
冬の運転の備え①「ウィンドウォッシャー液の濃度」
これは夏から秋にかけて車に入っていたウォッシャー液のままだと「タンク内で凍ってしまう可能性」があります。
夏場はつい水を入れてしまうことで、ウォッシャー液の濃度が薄くなってしまいがち。
冬場は原液そのままで準備してください。そうすることで、マイナス20~30度までは凍りません。
(実は私、やっちゃいまして春先までウォッシャー液が出ない状態でしのいだことがあります…)
冬の運転の備え②「スノーブラシ」
雪が積もったとき、車から雪をおろすために使います。レンタカーでも、冬は標準で装備されていることがほとんどだと聞きます。
ホームセンターで千円から二千円程度のもので充分です。
冬の運転の備え③「スクレーパー」
100均で売っているもので十分な働きをしてくれます。前述したスノーブラシの項の写真にある、手のひらサイズのものがおすすめです。
寒い日の出発前、フロントガラスの氷を削るのに用います。
(朝日の当たる方向にフロント側を向けて車をとめておく工夫が、たいへん有効です)
冬の運転の備え④「ゴム製フロアマット」
雪や水滴がついたままの靴で車内に入ると、フロアマットが濡れカビや悪臭の原因となります。ゴム製マットを準備したいところです。
それだけではなく、氷や深い雪にタイヤが取られ身動きできなくなった時、このゴムマットをタイヤに噛ませて脱出を図ります。
冬の運転の備え⑤「早めの燃料給油」
悪天候となれば、ガソリンスタンドも早く閉店します。身動きが取れなくなった場合、救援が来るまでエンジン掛けっぱなしでも過ごせるだけの燃料は確保しておきたいものです。
ただでさえ距離を走る北海道。次の給油ポイントが数十キロ離れていて、土日には定休日だったりするとあまりにもつらい状況に…。
冬の運転の備え⑥「着替え、洗面用具」
冬の北海道は、急な吹雪などで道路状況が一変してしまうことがあります。
どこか出先で帰宅をあきらめざるを得なくなった場合、ビジネスホテルや民宿、知人宅、自治体が設ける避難所などで過ごすことがあるかもしれません。
そのための「一泊旅行に出かけるくらいの準備」をしておいて損にはなりません。
冬の運転の備え⑦「スマホアプリ、サイトの活用」
走る予定の道路が通行止めとなっていたり、天候悪化が予想され、通行止めとなる予定が無いかを知っておくことが大切です。
スマホなどから道路の通行止め情報や避難所・避難場所の情報を得るため、近年では便利なサイトが増えてきました。
「北海道地区 道路情報」
北海道開発局が設けているサイトで、道内すべての道路の通行止め状況がリアルタイムで表示されるサイトです。
こちらも北海道の道路情報総合案内ポータルサイトです。
冬の運転の備え⑧「スノーシェルターの活用」
この項目が役に立つときは、吹雪などの状況下で運転していて緊急避難を検討しなければならない、かなり危険な状況下に置かれている場合です。
何でもない道路に「スノーシェルター」と呼ばれるトンネルが現れます。文字通り、暴風雪の際に吹きっさらしで、逃げ場所がこの先数十キロまで何もない場所に整備されていることを見かけます。
吹雪いた際、運よくここまで運転出来たら先を急がず、ここで避難を決め込んでください。命は守れます。ここだと雪で埋もれる心配はありません。エンジンも掛けっぱなしで過ごせます。車外にも出られます。この安心感は、何事にも代えがたいものがあるでしょう。
後編の、車に準備しておきたい「命を守るための備え7選」は、災害レベルの道路状況下となってしまった際に、命を守る装備を説明しております。ぜひご覧いただき、危険から身を護る装備をご検討ください。
みなさまの参考としていただけたり、疑問解決の一助となりましたら幸いです。
今後とも北海道移住生活ブログ「なーしぃのひとりごと」をどうぞよろしくお願いいたします。