バイク歴30年、日本一周を経験後に北海道へ移住し15年。
今回は「バイクの冬眠・冬ごもり・冬季保管」のお話をいたします。
私は年中バイクに乗れる環境の大阪出身。いつでも乗れるからという言い訳の元、寒いと乗らないことも多くありました。
しかし北海道に住むようになると、雪が積もることで半ば強制的に乗れなくなってしまうのです。(いつぐらいまで乗れるのか、春の目覚めはいつごろ?というのはこちらの記事をどうぞご参照ください)
・ガソリンは満タン状態に。ガス欠させておきます。
・洗車して、十分乾かしてからワックスを掛けます。
・空気をやや高めに入れます。
・チェーンや可動部に油をさします。
・バッテリーをおろします。
・センタースタンドを用いて、車体を立てて保管します。
北海道でバイクの冬季保管。地方では「自分でやっちゃう」しか方法が無いのです。
いろんなサイトでも紹介されている保管方法ですが、私はこの方法で車体を維持しています。
道東に住むと、札幌や旭川といった都市部のような「冬季保管します」というバイクショップそのものがありません。
少し遠いバイクショップを見つけても、そこは公共交通機関の脆弱な北海道です。
預けに行ったら帰りの足が無い。春に取りに行くとき、その手段で行くのがひと手間というのが実際じゃないでしょうか。
私の行っている保管方法が完璧な方法かと言われると、100点ではないかもしれません。
この記事でモデルとなるバイクは、車齢50年近い、とんでもなくボロイ空冷バイクとなります。現行の新しいバイクでは違う概念もあるかもしれませんが、そこはご容赦ください。
もちろんキャブレター方式のバイクです。私自身も高校生の時から30年間、いくつかのバイクに乗り続けていますが、インジェクション車を所有したことも乗ったことも無い、古い人間なことをご承知おき下さい。
バイクの冬季保管。ガソリンは満タンにして、ガス欠状態にしておきます。
まずその前に、皆さんのバイクは空冷でしょうか?水冷でしょうか?(その昔、油冷というのもありましたね)
冷却液の交換が必要な方は、冬眠前作業に移られる前に交換作業をお済ませください。
車の記事で恐縮ですが、こちらの記事をご参照ください。
では本題へ。
まずは冬眠作業に入る前日までに、お出かけ先から帰られるときにガソリン満タンでお帰り下さい。
「満タンにせず、タンク空っぽ方法」を推奨する方も居られますが、その状態でタンク内を錆びさせずに春を迎える保管方法がとれる環境なんて、まあ無いですね。
雪の量は大したことは無くても、一度吹雪いてしまえばわずか半日でこうなってしまうことも珍しくないのが道東です。
寒暖差でどうしても結露は発生しますし、雪の降る北海道。乾燥した環境での屋外保管なんて現実的ではありません。
ガソリンが劣化といっても、いいとこ半年弱。そのくらいの期間で劣化してエンジンがかからなかったなんて経験はありません。
ですので私はここ数年、冬眠前にガソリンの劣化を防いでくれるコレをガソリンに添加しておきます。ここは実績がものをいう、安心のWAKO’S製です。
作業の内容ですが、燃料ライン内のガソリンを空にします
簡単な方法としては、ガソリンコックをOFFにしたままアイドリングを続け、エンジンが止まるのを待ちます。
(キャブレターの目詰まりが一番厄介だと思っています。春先にエンジンがかからないとなると、どうしてもここを疑って泣く泣くバラすことになります。)
負圧コックでOFFが無い車種は、ガソリンが流れない場所にコックを合わせて、抜けきれなかったガソリンをキャブレターのドレンから抜いてあげてください。もちろんガス欠法でなくとも、この方法でガソリンを抜いても問題ありません。
キャブレターの形は違っても、写真でドライバーを当てているいちばん下のボルトを緩めるとガソリンが出てくるのは、基本的に変わらないはずです。キャブレターの数はバイクによって違いますので、その数の分だけ行ってください。
※インジェクション車は…正直詳しいことは分かりません。コックも無いはずですから。半年程度の冬眠なら、そのままでも問題となることは無いはずです。
ここまでを、満タンにして帰ってきたその日のうちにお済ませください。
バイクの冬季保管前には洗車して、十分乾かしてからワックスを掛けて冬眠させます
今シーズンの労をねぎらってあげるように、洗車してあげてください。
この洗車という作業。本当に寒い時期になると手が冷たいだけじゃなく、掛けた水が凍るのです。
こうなるとお手上げですので、その時は日の当たる方向を拭いて、車体の向きを変えるという地味な作業が必要になります。
(凍ってしまう時期の前に冬眠作業に入るのが理想ですが「まだ乗れる」と走ってしまうのですよね…そして冬眠作業時、結局凍らせるという毎年の繰り返し…)
そのあとはワックスを掛けてあげます。
冬眠前のワックス掛けは、タンクや外装だけでなくフレームやホイール、マフラーやエンジンまですべて細やかに行ってください。
冬場の凍結、室内や断熱のしっかりされた場所で保管できる恵まれた環境の方はいいのですが、外気温と同程度の倉庫や車庫、駐輪場でカバーを掛けるだけという方は必須です。
寒い時期はマイナス20度くらいまで下がることもあり、湿気を帯びたバイクが氷漬け状態になります。
日中は日当たりがいいとその氷漬けが溶け、夜はまた凍るを繰り返します。
(私も冬眠作業が手探りの頃、下回りに防錆スプレーを拭いて仕上げていましたが科学的な油分が塗装を痛め、マフラーは焼き付いて変色したりと、ロクなことがありませんでした)
ここで使うワックスは、日常使っているもので充分。私は安物の固形ワックスを使っています。
凄く艶が出てお気に入り。整備士時代にタクシーの運転手さんから勧められて以降、これ一択です。なぜかホームセンターなどでは売られていません。
空気をやや高めに入れておくのが、バイクの冬季保管前のポイントです
これは冬の保管中、地面に接地している面を少なくすることでタイヤの劣化や変形を最低限にすることが狙いです。
空気量は標準より10%程度多く入れておけば、十分でしょう。
愛するバイクの冬季保管。仕上げはチェーンや可動部に、油をさします。
これは先に述べたワックス掛けと同じで、油気の必要な部分には油気を補い、錆びの防止を図ってください。
もちろんアクセルワイヤーやクラッチワイヤーを外して注油するのが完璧ですが、この時期の作業、とにかく手がかじかみます。
ですので少なくとも、レバーの可動部やワイヤーのタイコ部分にシューっと潤滑剤を拭いておくといいでしょう。
チェーンはしっかり注油してあげてください。もちろん洗車の時点でチェーンの洗浄をしていることが望ましいです。
バッテリーを車体からおろして、バイクの冬季保管準備は完了です
バッテリーをおろして、冬季は1カ月に1回程度補充電をしています。
最近のバイクのバッテリーは、そう簡単に下ろせない位置にあるようですね。
せめてご自身のバイクの説明書に記載された方法で、冬季も補充電に心がけてください。
車検ごとに交換するというユーザーさんならともかく、最近は何でも値上がりしているのでバッテリーも長持ちさせたいところですし。
バイクの冬季・長期保管。私はセンタースタンドを用いて、車体を立てて保管します。
と言われそうですが…
メンテナンススタンドを用いるのもいいでしょう。ひとつあると、普段の整備にもきっと役立ちます。
私も1つ買って、30年以上同じものを使い続けています。仕組みも簡単ですので、そう簡単に壊れるものではありません。
(後輪を上げておく方法は、地震などの揺れには弱いようです。サイドスタンドで保管するのが一番安定すると聞きますが、そうなると常にタイヤやサスペンションに負荷がかかります。どちらがいいかと言われると、私はセンタースタンド方式をとっています。)
小汚いガレージの、サイドスタンド掛けの写真で申し訳ありません。
以上のことを済ませ、冬季保管に入ります。来年の春、無事にエンジンがかかることを祈りながら。
札幌などの都市部にお住まいの方でしたら、バイクショップで冬季預かりというサービスがあります。排気量によってですが、2~3万円程度で春まで預かってくれますので、相談されてはいかがでしょうか。
ホームセンターで売られるこの手の小屋を、私も2年ほど使いました。
降雪で倒壊などはありませんでしたが、どうしても下回りからの冷気・湿気が避けられず錆びの進行が進んでしまったという、苦い経験があります。
こちらの記事にも書いています。どうぞご覧ください。
今回も最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
みなさまに参考としていただけたり、疑問解決の一助となりましたら幸いです。
今後とも北海道移住ブログ「なーしぃのひとりごと」をどうぞよろしくお願いいたします。