北海道での結婚式費用は、全国平均よりも安いことで知られています。その秘密は、北海道の結婚式のほとんどが「会費制」であることです。
新郎新婦側が1万~1万5000円前後の「会費」を設定し、参加者がそれを支払う形式が基本となっています。
私は北海道に移住し15年ほどの「移住者」なのですが、移住して間もなくの頃は、その文化を知りませんでした。
はじめて結婚式にご招待をいただいた際、案内状をいただいた時点から式の終わりまで、驚きの連続だった記憶があります。
最近では、2次会を兼ねた1.5次会的な結婚式も増えており、北海道の会費制結婚式の文化とともに全国的なトレンドになりつつあります。
この記事では、北海道の結婚式文化や費用の相場・会費制の特徴、1.5次会的な結婚式の流行などを詳しく解説します。
- 北海道の「会費制結婚式」のルーツは「互助・共助」のこころ
- 結婚式が行われるのは「雪の心配がない季節」が多い
- 会費の相場は1万円から1万5千円。新札は不要。
- 別にご祝儀を渡すのもOK。お車代はゼロと考えるほうが無難。
- 主催者側のメリットは、高額費用の準備がいらない
- 近年は2次会の無い「1.5次会結婚式」が増えている
「互助・共助の精神」から生まれた、北海道特有の「会費制結婚式」文化
北海道で行われる結婚式の特徴として、90%以上が会費制で行なわれることが挙げられます。どんなにフォーマルな要素の強い結婚式であっても、会費制で行われることがほとんどです。
この会費制結婚式は、主催者側が一律の会費を設定し、招待された側が式の当日、指定された金額を支払うスタイルになります。
開拓地である北海道では、全国各地からの移民が多かったため、冠婚葬祭などに伝統的な風習がありませんでした。
結婚式を主催する新郎新婦側の負担を減らす目的から、招待される側が会費を持ち寄ってお祝いすることが主流となったのが、現在の北海道の会費制のルーツと言われています。
このため、特定のルールが無い、自由な雰囲気の結婚式が行われています。
招待される側としても、ご祝儀制より金銭的負担が少ないため、気軽に参加しやすいというのがメリットの一つです。
お互い様(北海道弁で「なんもなんも」)の心で生まれた、特有の文化かもしれませんね。
結婚式が春・夏に多いのは、北海道特有の気候が理由
北海道の結婚式「行けない・来られないリスク」を考え、行われるのが多いのは春・夏
北海道の冬は降雪量が多く、道路や鉄道の運行に影響を及ぼすことがあります。
広い北海道ですので、同じ北海道内といっても東京から大阪くらいの距離を来てもらうことも、珍しくありません。
遠方からの参加者が多い結婚式では、交通機関の乱れや道路状況の悪化などの影響を受けやすく、参加者が来れなくなってしまうリスクがあります。
冬は時に、命がけの移動になることも。こちらの記事もごらんください。
他にも冬の結婚式では、暖かい衣装や小物などが必要になり、準備する側・される側双方ともに用意するものが増えてしまいます。
これらの理由から、北海道の結婚式場では、冬の時期には開催を控えることが多くなります。必然的に春・夏に行われることが多いのが、北海道の結婚式です。
冬だととても、外でお祝いすることも出来ませんし。
北海道の会費制結婚式、相場はおよそ1万~1万5千円
道内でも「地域性」が出てくる会費です
招待を受けた側のメリットとして、いちばんは「ご祝儀の金額を考えなくてよい」ことに尽きるのではないでしょうか。
招待を受けた時点で「参加費(会費)は〇〇円になります」と明示されているのですから。
この「会費」ですが北海道でも、地域によって変わる傾向にあります。
札幌など都市部の会費制の相場は15,000円~18,000円。地方都市では10,000円~15,000円。中には8千円程度という結婚式もあるようです。
町村の会館などで行われるなどの会場利用料で、大きく差が出る傾向にあります。
当日、財布からおもむろに出します
ご祝儀制の結婚式に慣れている方は、まず最初に大ビックリが待っています。
招待客は、会場に着いたら受付でさっそく会費の支払いをするのですが…
財布からおもむろに直接現金を出して、受付の方に渡します。
というのも会費制の場合、受付で指定された金額が間違いないか確認するため、ご祝儀袋に入っていると中身を取り出すのに手間が掛かってしまうのです。
受付をスムーズに済ませるためにも、お釣りが出ないように現金を用意し、直接渡しましょう。
「新札を用意」するのがマナーという記事も見かけますが、正直その手間も必要ありません。というか「無駄な手間」です。
主催する側は会場に「参加者分を差し引いた金額」を先に払い、式の終了後に「参加者人数分を支払う」ことを行います。当日支払われる会費は、そのまま会場側に支払われます。
新札で会費を支払っても、新郎新婦側は目にすることが無く、誰にもメリットが無いのです。
わざわざ数日前に銀行に行って両替する、その手間は必要ありません。
北海道の結婚式は、とにかく合理的なのです。
(最近ではキャッシュレスの流れもあり、事前もしくは当日に決済サービスを用いるということも増えているそうです)
なぜか「領収書」が発行されたりもします。
別に「ご祝儀」を渡すのもアリです
ご祝儀は、会費制の場合渡さないことが一般的です。家族や親族はご祝儀を用意する場合もありますが、その際は結婚式の前に渡されるケースが多いようです。
友人としてご祝儀を渡したい場合は、全国の結婚式の平均的なご祝儀額である3万円から、会費を引いた程度の額(会費10,000円の場合はご祝儀20,000円)を、当日に会費とは別にご祝儀袋に入れて、受付で渡すのがいいでしょう。
「満足してほしいから」と妥協しない式が多いのが、北海道の会費制結婚式
いいもの食べて、満足度を高めるスタイルの式
「来てくれた人に、いいものを食べさせてもらったと思ってほしい」と、料理にこだわりをもたせる式が人気です。
特に本州からの招待客が多い場合「新郎新婦に、恥をかかせてはいけない」「北海道の結婚式場として、恥ずかしくない食事を」と気合いが入るそうです。(もちろん予算内ではありますが)
「引出物は簡素」なものばかりでもないです
招待制の場合は、記念品・引菓子・縁起物などをまとめて「引出物」として送りますが、会費制の場合、引出物は無しか、一種類のみお渡しするのが一般的です。相場は2,000円から3,000円程度で、お菓子やカタログギフトというケースが多いです。
ですが、食事や引き出物のどちらか(もしくは双方)を充実させて、満足度を上げて喜んで帰ってほしいというスタイルなのが北海道の結婚式。
そのためか北海道の結婚式では、式が終わった後の収支で「利益が出た」ということはほとんど無いと聞きます。
「安い中にも収支トントンの式」これも北海道の「なんもなんも」な互助精神なのでしょう。
両家親族は「上席」?これも北海道の会費制結婚式
席の配置も、本州とは異なります。
本州の招待制結婚式では、新郎新婦の両家が主催になります。そのため主催者である新郎新婦の両親は、会場のいちばん後ろである「末席」に座るのが一般的ですね。
これとは異なり、北海道の会費制結婚式の場合は、新郎新婦の両親や親族も「招かれた」立場となるため、会場のいちばん前「上席」に座ります。
※最近では、親族はやはり末席じゃないの?という式もあるようです。
あいにくの欠席。直接伝えられなかった思いは、華やかなメッセージで伝えたい、北海道の結婚式
遠方での結婚式。日程やご予定の関係で、どうしても参加できないという方も居られるでしょう。
特別な日には、特別な贈り物を。
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会費制結婚式を招待する側の負担軽減も、北海道の「互助の精神」
ここからは、北海道スタイルの「会費制結婚式」を実施する側のお話をいたします。
伝えておくのは「会費制結婚式であること」
北海道の結婚式費用の総額は、平均209.3万円。 地域別ではもっとも安く、全国平均の308.3万円と比べて100万円近くも差があるそうです。
この安さの秘密は、先に述べた「会費制」にあります。
その「会費制結婚式」ですが、北海道では、案内状に「会費金額」と「会費制であること」を明記することが一般的です。
「会費制結婚式」の文化が無い本州からの参加者には、用意すべき金額やご祝儀は用意しなくてよい旨をはっきり伝えないと、招待された側はびっくりしてしまいます。
「お車代」も基本、ありません
本州での一般的な結婚式は、遠方の招待客に対してお車代をお渡しすることが多いですが、北海道の結婚式では、遠方からの参加者にも「お車代」は基本的に出さなくても良いとされています。
遠方からの参加者には、お車代の有無を事前に伝えると親切であり、招待する側の負担も軽減されます。
お車代を渡さない場合もある一方で、主賓や遠方から来てもらう参加者には、全体の自己負担額とのバランスをみながら調整をすることが多いです。
例えば、片道分だけお車代を渡したり、当日の会費なしで参加してもらうという選択などです。
最初に高額のお金を準備しなくてもよいメリット
会費制の場合は、最初の支払い額が安く抑えられることが、メリットのひとつです。
図:マイナビウェディングHP様より出典
北海道スタイルの結婚式である「会費制」の場合は、最初の時点で全額を会場に払うのではなく、参加者分は後払いとなります。
準備段階の負担が少なくて済むというメリットが、とても大きいですね。
北海道の「互助の精神」に基づく会費制の結婚式は、両家の負担を抑え、参加者にも負担をかけない形で、大切な日を過ごすことができるという特徴があります。
1人当たりの料理、引き出物の値段が事前に計算できる
いただける金額が事前に分からないご祝儀と異なり、定額で会費が決まっているため、事前に新郎新婦の自己負担額がわかります。
料理や引き出物の内容によって金額は大きく変わってくるので、会場利用料などと調整し、会費の値段を決める形になります。
計算して準備すれば「両家負担ゼロ」という結婚式が出来上がるというわけです。
記念に残る「結婚式ムービー」はプロにまかせて、いいものを
あまりに費用や金額に固執してしまうのも、なんだかちょっと…
何かこだわりの「記念」を残すのも、いいかと思います。
結婚式の「定番」である、プロフィールムービー。
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結婚式を前にして、お互いの思い出の写真を集めて選んで編集して…
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「費用をとにかく安く…」というなら、式場の安い冬に
ちなみに北海道での結婚式場は、冬場(12月~3月)が値下げの時期です。
やはり冬場のリスクを考え、式そのものを敬遠する時期だからでしょう。
しかし参加者の当日ドタキャンがあると、会費制結婚式では主催者側がそのキャンセル分の負担をすべてかぶることになります。
そのため冬の結婚式を行うなら「交通機関の発達している札幌近郊」かつ「足元が悪くなりにくい、駅直結の会場」がよいでしょう。
最近では「2次会」を兼ねた「1.5次会」的な会費制結婚式が北海道だけじゃなく、本州でも増えています
結婚式の予算に悩んでいる方は、北海道スタイルの会費制結婚式や1.5次会的な結婚式を検討してみるのも一つの方法かもしれません。
1.5次会的な結婚式というのは、2次会でよく使われるレストランやパーティ会場的な場所で、礼服も無しでカジュアルな1次会の結婚式を行うスタイルです。
ちなみに、2次会は行われず「兼ねて行う」という考えです。
会費は1万円を少し超える程度のことが一般的で、たいへんリーズナブルかつ、肩の凝らない式ということで、人気を博しています。
「負担をかけることなく、多くの人に祝ってもらいたい」「新しい門出を、華やかに祝ってあげたい」双方よしの考えですね。
主催者側も予算の把握や、招待客の負担を軽減ことが出来ることから、北海道だけではなく全国的に広がっている「会費制結婚式」「1.5次会形式の結婚式」です。
「北海道の会費制結婚式」まとめ
- 北海道の「会費制結婚式」のルーツは「互助・共助」のこころ
- 結婚式が行われるのは「雪の心配がない季節」が多い
- 会費の相場は1万円から1万5千円。新札は不要。
- 別にご祝儀を渡すのもOK。お車代はゼロと考えるほうが無難。
- 主催者側のメリットは、高額費用の準備がいらない
- 近年は2次会の無い「1.5次会結婚式」が増えている
これからの時代、結婚式のスタイルもますます変化していきます。私自身もこの記事をまとめるにあたり、大変学びになりました。