北海道・地方移住をされる方に、細かくて気づきにくい「やっておきたいこと」のお話しです。
小さいことですが、移住前の今のうちにやっておくと後でたいへん楽が出来る準備のひとつをお伝えいたします。
それは「メガバンク・都市銀行の口座じまい(口座解約)」です。
北海道に移住し15年が経過した私ですが、これはたいへん面倒に感じたことをよく覚えています。妻はもっと面倒なことになりました。
経験してわかった、移住者あるあるのお話です。最後までよろしくお願いいたします。
ぜひ北海道移住前の準備段階で、今お使いの銀行口座の解約を行ってください
特に北海道の地方都市では、銀行そのものがありません
移住して、地味に面倒だったのが「都会で暮らしていた時に使っていた銀行口座の廃止」でした。
私は大阪を離れるまで、家から歩いて数分のメガバンク(三井住〇銀行)の支店口座を利用していました。
子どもの頃にもらったお年玉から学費の納入、社会人となって給与振り込みまで、全部この口座を用いていました。
北海道に行くと、そんなメガバンクの支店などどこにもありません。
地方にあるのは、郵便局(ゆうちょ銀行)か地方の信用金庫、セブン-イレブン(セブン銀行)くらいなものです。
あるのはセブン銀行ATMか、郵便局(ゆうちょ)ATM
「コンビニATMがあるよね」という声が聞こえてきそうですが、北海道の地方都市にはセイコーマートかセブン-イレブンしか基本ありません。
ローソン?ファミリーマート?大きな町に行けばあるよね、というシェアしかないのです。
地方銀行であるはずの「北海道銀行」や「北洋銀行」ですら、拠点となる町にしかなく、メイン銀行としては使えません。
都会にいた頃に使っていた銀行が、北海道移住後はとても使いづらいものとなってしまうのです。
そして、移住してから口座解約を考えても、もう遅いのです。そもそも、その銀行が無いのですから。
帰省時に「口座じまい」住所変更、書類、ああ面倒…
移住後1年ほどしてから、実家に帰省する際に書類を準備して、その銀行に向かい口座の解約をしました。
整理券を取って数十分待たされ、書類を書いて、さらに数十分待たされを繰り返し。
新型コロナの影響からか、事前予約がないと当日は対応してもらえないことも。
妻は、それに加え結婚し姓が変わりましたので、準備する書類も増えます。それは大変でした。
- 「本人を確認する証明書」として運転免許証、マイナンバーカード等
- 「住所が変わっているので、その証明」として住民票の原本
- 「この姓で印鑑を登録し、それから口座の廃止が…」その場で準備された、改印のための書類と、新旧の印鑑
必ず事前に、口座解約を予定している金融機関に、必要書類の確認を行っておきましょう。
「移住前に出来ることは、思いつく限りやっておいたほうがいい」のですが、口座解約は間違いなくその一つです。
北海道移住には、ゆうちょ銀行ATMを無料で使えるネット銀行と、ゆうちょ銀行口座があると、何かと便利
地方でも最強のネット銀行と、地方では最強の郵便局!(ゆうちょ銀行)
北海道の田舎暮らしでは、強い味方となってくれる「ゆうちょATM」
「ゆうちょ銀行のATMを手数料無料で使えるネット系銀行」と「ゆうちょ銀行」の二刀流が選択肢になるかと思います。
ネット系銀行をメインバンクに用い、手数料無料の範囲内で近所にあるゆうちょ銀行口座をサブで利用。現金の必要な時は、ゆうちょATMを利用するのが現実的です。
北海道移住15年の私。楽天銀行とゆうちょ銀行をダブルで利用。現金を取り扱う際は、近くの郵便局にあるATMを使っています。
移住前にこのあたりの口座を作っておいて、移住後に住所変更の手続きをするのがスマートな方法ではないでしょうか。
(ネット系銀行ですと、住所変更もネットで済みますので手間が省けますね。)
地方で就業される方は、給与振り込みが地方の信金口座を指定されることも
他に田舎あるあるなのですが、地方の企業に就職される方へ。
その企業と結びつきの強い、地方の信用金庫だけが給与の振り込み口座となっていることもめずらしくありません。
町唯一の金融機関が、信用金庫と郵便局だけ(セブン-イレブンも無い)というところが普通にあるのが北海道の地方です。
その際は、就業後にひと手間かけることで対応しましょう。
遠い銀行口座の解約、実は違う銀行でも出来る「取立(とりたて)」というのがあります
「取立(とりたて)」という制度をご紹介します
地方銀行や信用金庫間では、お互いが連携して他行でも手続きの出来る制度があるのです
都銀や地方銀行、第二地銀などと呼ばれる「その地域の銀行」との間では、銀行や金融機関の垣根を越えて、別の銀行でも解約手続きが出来るのです。
お取引のある銀行の窓口で「取立(トリタテ)」という方法で解約することができます。
※福岡銀行ホームページより抜粋
まずは当行のお取引支店へお問い合わせください。
「取立」という方法により口座解約後、現在お取引されている金融機関へ送金する方法などもございますので、ご案内いたします。
なお、「取立」は金融機関によって手続きの方法や手数料が異なります。
また、取立には1~2週間程度かかりますので、あらかじめご了承ください。※愛媛銀行ホームページより抜粋
銀行によって若干の名称は違いますが「取立」と検索いただければよろしいかと思います。
まず『手元に通帳やキャッシュカードがある、解約を考えている遠方の金融機関』に連絡を取り、『今お住まいの最寄りの金融機関』で手続きが出来るかを確認するのが一般的な流れとなります。
また、手数料がかかるのが一般的です。
代金取立手数料(1通あたり)
お取扱区分 手数料 電子交換所参加(※) 880円 電子交換所不参加(※) 1,210円 ※支払金融機関が電子交換所参加金融機関に該当する場合は「電子交換所参加」、非該当の場合は「電子交換所不参加」と区分。 ※みずほ銀行ホームページより抜粋
書類や手続きの不備が無ければ、どの金融機関でも1,000円前後のようです。
遠くまで行くことを考えると、良心的だしお安いですよね。
三井住友銀行や三菱UFJなどの「メガバンク」には、手続き専用アプリがあります
今はどの銀行も、ネットでの手続きをすすめています。大きな銀行では、ネットでの手続きも出来るようになっています。
これらのアプリを利用して解約する際は、いったん残高をきっちりゼロにしておく必要があります。
面倒なので放置…は「管理手数料のかかる時代です」
2年程度「放置」していると「口座維持管理手数料」などが引かれたり、10年経つと「休眠預金」となって引き出しに制約が出てきてしまいます。
休眠預金等活用法に基づき、2009年1月1日以降のお取引から10年以上、
その後のお取引のない預金等(休眠預金等)は、民間公益活動に活用されます。※金融庁ホームページより抜粋