「札幌も東京も、大して変わらないという距離感」
表題を読んで、どういうこと?と思われた方がほとんどかと思います。
これには、ちゃんと訳があります。
もちろん、物理的には札幌のほうが距離は短いです。ですがあえて今回、こうやって記事にしている理由はこちらです。
- 道東(中標津町)から札幌まで、車だと約5時間半。
- 飛行機だと1時間で新千歳。そこから札幌までJRで約40分。バスだと約90分。
- 合計すると、飛行機でも2時間弱から3時間ほど見ておく必要。
- 冬、おっかない。道も、新千歳空港の大雪欠航、通行止めも。
- 東京に行くとなると、根室中標津空港から毎日定期便が就航。約2時間で羽田空港。そこから東京都心までアクセス豊富。数十分程度。
- たんちょう釧路空港や女満別空港からも定期便が就航。こちらの両空港からだと、不定期ながら成田行きも就航。
→これらを考えると、東京へもアクセスが良いこともあり、行く値打ちを充分感じられることも多い。
実際に内地から道東に移り住んで15年で感じた、これらのお話をいたします。
遠い札幌、広すぎる北海道
まずは位置関係の説明です。図をご覧ください。
出典先:別海町ホームページ
私の住む別海町。人口は1万4500人ほどで、人の7倍牛の住む街です。
20キロほど離れた隣の中標津町に、最寄りとなる「根室中標津空港」があります。
この空港、利用促進のため「何日停めても、駐車場代が無料」という、車社会の道東において大変ありがたい空港です。
この根室中標津空港。ANAのみ就航する空港ですが、1日1本の羽田行き、3本の新千歳行きが定期便として就航しています。
写真は中標津空港。搭乗口も荷物返却のターンテーブルも1つしかない、大自然の中にある空港です。
北海道はたいへん広く、道東から札幌までは距離だけで言うと、東京から大阪間くらいの距離があります。そのため道内移動も飛行機を用いることが珍しいことではなく、主にビジネスパーソンが道内の地方空港から新千歳便を利用しています。他にも長距離バスが数多く運行されています。
簡単に、空港駐車場料金のご紹介を。
たんちょう釧路空港は2022年10月から「1日700円、多客期は1日1000円」に値上がりしました。
女満別空港は「1日500円(連泊で割引設定あり)」となっています。
※いずれの空港駐車場も、普通車料金で記載しています。細かい価格設定がされていますので、リンク先をご参照ください。
写真は、大きな畑の中にいきなり出現する、女満別空港です。
車だと、札幌まで5時間半ほど
こちらの画像をごらんください。
私の住む別海町からと、空港のある中標津町からの両方を、私の住む別海町からグーグルマップでルートをスマホで検索した結果です。データは平日の昼間出発で、釧路外環道から道東自動車道に抜ける、いちばんスタンダードなルートで5時間半ほどと案内されました。
道路状況にもよりますが、そんなに無理をしないペースで、この案内通りくらいかなと思います。
こちらの記事もご参照ください。
(途中、ガソリンスタンドが無い区間を長距離走ります。道東道は夕張を超えた札幌寄りにある「由仁SA」しか給油所が無いので、400km程度巡航できない車両だとガス欠必至なのです。道東道の無料区間の終わる本別あたりで一旦降りて、給油後に再度出発することが必要になります)
ただ、私も運転は嫌いではないのですが、道東道は大変単調かつ片側1車線区間がとても長く疲れるのです。妙に遅いペースとなったり、その逆に速い車が後ろから来ても譲れる区間も限られ、淡々と自分のペースで走るのが難しいです。
冬になると事故も多く、私も一度冬の移動の際に占冠(しむかっぷ)で降ろされてしまい、たいへん難儀した事がありました。
道東道の通行止め、う回路は石勝樹海ロードや旭川まわりなんてことになると、考えただけでうんざりします。
札幌や千歳近郊は日本海側の気候。
道東と違い雪も多く、クルマと同じくらい時間のかかるJRでの移動計画はイチかバチか的な部分もあります。
冬時期の札幌・新千歳空港方面への長距離移動は、極力避けたいところです。
道東から東京のアクセスが、実は悪くない
根室中標津空港からも、たんちょう釧路空港からも、女満別空港からも。
毎日、季節便ではなく定期便が就航しています。
その飛行機、札幌に向かうより圧倒的に「飛行機の欠航率が低い」のです。
一例として、たんちょう釧路空港のある釧路市は「霧の街釧路」と言われるほど、夏場は濃い霧に包まれることが多い空港です。
小型機の就航が多い札幌丘珠便や千歳便は、あっさり欠航してしまいます。
たんちょう釧路空港や女満別空港から就航する札幌丘珠便は、機体のやりくりギリギリで就航しているため、ほんと前触れなくどんな晴天でも簡単に欠航するので私は怖くて使えません…
写真はたんちょう釧路空港。夕日の街釧路ですので、夕方には大変美しい姿を見せてくれます。
冬、新千歳空港の大雪リスクは回避したい
冬、道東に大雪が降れば、どの空港もどこへ行く飛行機も厳しいことには変わりません。
ただ、欠航となっても新千歳空港ほど大荒れになることはありません。
新千歳空港は、千歳市にあります。札幌市街まで遠く、空港が閉鎖となれば陸の孤島と化します。
新千歳空港は就航本数に対し、降雪量が多い地域にあります。そのため除雪が追い付かず、空港ターミナルで毛布にくるまり途方に暮れている方々を報道でご覧になったことがあるのではないでしょうか?
新千歳空港側が原因で帰れないリスクを検討すると、札幌ではなく東京に行くことを選ぶことも選択肢となってくるのです。
※観光で来られる方も、新千歳経由ではなく道東便を検討されるのはいかがでしょうか?
根室中標津・たんちょう釧路・女満別の3空港は、市街地に近い場所に空港があります。
空港ロビーで一夜を過ごさなくても近隣のホテルが見つかるくらい、近郊市街地に利用客分くらいの宿泊施設の数はあります。
札幌より東京を目指すメリットが多い
- 普段、自然いっぱいの環境で生活していると、都会の刺激が欲しくなる(笑)
電車に乗って移動するだけでも頭の体操になりますし、若い世代の方は千葉の浦安にある、某テーマパークが夢の場所であるのは今も昔も変わらないようです。
買い物をするにも東京のほうが選択肢は数倍あるでしょうし、お気に入りのものがあれば直営店で見て回ることも出来てしまいます。専門的なものは、やはり経験の豊富な店員さんから聞いて購入したいものです。
私の大好きなプロ野球観戦も、道東には例年7月に日本ハムの主催試合が釧路と帯広で1試合づつあるだけ。そして令和5年度は無くなってしまいました。東京に行けば、お気に入りのチームだけでなく、観戦のハシゴが出来てしまいます。
- 札幌より宿泊施設が多く、宿泊先探しに困らない。
札幌に週末行くと、たまにコンサートなどのイベントが重なっていることがあります。私も一度、全国からファンが押し寄せるジャニーズの方のコンサートがある日に所用で向かいましたが、数日間本当に宿が取れず困りました。まさに「嵐」がやってきた感じでした…
もともとそんなに数がないのが札幌の宿泊施設。東京ではそんな思いをしたことがありません。
- 仕事上、研修会や学会に何度も出向きましたが、札幌より東京開催のほうが内容の充実したものが多く、その回数も多いため日程の融通が利きやすい。
やはり、この要素は大きかったです。講義の内容や講師の質も全国レベルの基準、やはり日本の首都・東京。集まってくる人数も多く、刺激も大きくなります。自分が発表者として参加すると「日本の端から来てくれた」と、みなさんが喜んでくれたりして。
- 事前に予定が立てられるなら、飛行機チケットが安くなった。
ANA、JALとも、早期に予約ができるなら1万円台前半で道東から東京まで行けることもあります。
たんちょう釧路空港や女満別空港からは隔日や不定期ながらPEACHも就航していて、成田国際空港や関西国際空港まで驚くようなバーゲン価格で搭乗できることも珍しくなくなりました。
(2023年3月末で、PEACHがたんちょう釧路空港および女満別空港発の成田空港ゆき就航を休止しました。関西国際空港へも7月~10月の季節便となっています)
自家用車で5時間以上高速代や燃料代や途中の食費などをかけて移動したり、飛行機、JR、長距離バスなどで札幌へ向かうことを考えると、東京行きを検討するのも「遠いものではない・価格もリスクも高いものではない。むしろお値段以上のものを得られる。」と感じられるのではないでしょうか。
しかし…ほんと…北海道、広すぎるから起こる問題ですね。
同じ県内(道内)を飛行機移動、長距離夜行バスですから。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
みなさまに参考としていただけたり、疑問解決の一助となりましたら幸いです。
ふだん私は、北海道が大好きになって、「いつかは北海道、道東に住んでみたいな…」と思われた方が有意義に感じてもらえるようなブログ記事を書いています。下のリンクから、他の話題もご覧いただけましたらうれしいです。
今後とも北海道移住ブログ「なーしぃのひとりごと」をどうぞよろしくお願いいたします。