インターネットや雑誌などで地方移住を検索していると、田舎暮らしというのは「地域との人付き合いが濃すぎて大変」という言葉をよく目にします。
中には「田舎の人付き合いがうまくいかず、都会に戻った」という方の声を目にすることも。
2022年の年末には、どこかの地域おこし協力隊として住まわれていた方が、その地域を追われたという記事を読みました。
(この地域おこし協力隊という制度、訴訟問題になったりしている自治体もあり完璧というわけでもないようです。ただ「仕事が用意されて給料もらえて、住むとこも与えられて」赴任するこの制度。私は地域に暮らす方々と、趣旨の相違が生まれるのも仕方ないようにも思うのですが…)
ほとんどが、人間関係にネガティブなイメージを持つ記事にたどり着きます。
私は今、都会の人が旅行で住んでいる地域を通過されるとき、同伴者の方たちと「このあたりに住んでいる人は、どうやって生活しているのだろうね」という会話をされるであろう場所に暮らしています。コンビニも無い「隣の家まで何百メートル」という地域です。
北海道に住んで15年。私が思うことは
「別にそんなに特別なことしなくても、人も地域も優しいよ」ということです。
その「秘訣」というのも特に無いですが「こんな感じじゃないですか」ということをお伝えいたします。どうぞお付き合いください。
1.都会での生活そのまま、という考えは正直厳しい。
2.特別なことを強制されるわけではない。その地域の暮らしに合わせればいい。
では、こちらからどうぞ。
移住先の人付き合い。「都会での生活そのまま、というのは正直厳しい」です。
この記事を見ていただいているあなた様は、今お住いの地域の町内会活動や集会、学校のPTAなどに参加しておられますか?
「面倒だし、仕事休んでまで行かないよ。遊びにも行きたいし。誰かが決めてやっていてくれてたらいいんじゃないの。」
もしこういった考えだと、地方では正直厳しいかと思います。(札幌のマンションに住むなら、それでもいいのでしょうけど。)
その逆で「いやあ、仕事の都合もあるけど、時間が合うものは出るようにしているよ。」という方。そのくらいで問題ないと思います。
ほんと、そのくらいの温度感です。
町内会の集会、清掃活動、地域の植樹、文化祭も「強制」という感じでなく「みんなで協力する」くらいの感覚です。
正直、私はそんなに難しく感じたことはありません。
都会と違う感覚、をあえて挙げろとなるなら、
過疎やへき地と呼ばれる地域に住む方は、若い世代の方も、郷土愛にあふれています。
どの世代も「みんなで地域を支え、支え合って守っている」ことを強く感じます。30代、40代といった若い世代の方々が自分の暮らす地域のために、ほんとに力強く活動されています。
私は32才まで大阪に住んでいましたが、自分の生まれ育った地域に郷土愛を感じたことは皆無でした。
今では縁あって住んでいるこの地で学ばせてもらっている、そんな感覚で暮らしています。
縁あって、その地域に住まわせてもらうわけです。その地域が維持できるよう、自分たちも「声を掛けてもらって、参加させてもらえる」くらいの感覚がちょうどいいですよ。
地域総出で行う行事などには積極的に参加すれば、地域にも早くなじめます。
移住してきて、地域の方々ひとりひとりに挨拶してまわるわけにもいきませんが、集まりに参加してると顔も覚えてくれるようになり「セルフ自己紹介」とでも言いましょうか。
その場にいても、居づらくなるように感じたことはありません。
よく聞くのが「田舎は監視されているみたいでイヤだった」という声。
「〇〇でクルマすれ違ったねー。どこ行ってたの?」というやつですね。
これを「監視されている」なんて述べているのも見かけますが。
そりゃ、走る車も少ないので仕方のないこと。あれは誰の車、なんてみんなわかっちゃいます。
相手からすると、話のきっかけにしてるだけだったりしますから。私もよく使うようになりました。悪気は一切ないですよ、きっと。
移住先の人付き合い、特別なことを強制されるわけではありません。その地域の暮らしに合わせればいいですよ
皆さんが北海道に移住を果たせたら、どのような生活をされるのでしょう。
会社勤めとなる予定の方にアドバイスです。
都会での生活では「行事のために仕事は休めない。プライベート優先、というのは厳しい」かもしれません。
ですが、地方移住を楽しみに来るのだから、地域での生活時間そのものを楽しんでほしいのです。
とはいえ、地域の行事等で休暇が必要になったとしたら。
「この日は地域の行事で…」といえば職場も「わかったよ」と理解を示してくれるはずです。
希望してドキドキものでお願いした勤務希望が、地域行事となるとあっさり認められることが多いです。ほんとそのくらい、みんな地域を大切にされています。
プライベートでの用事を計画されていた方は、地域行事を優先し、プライベートを後日に振りかえるくらいの気持ちが欲しいところです。
地方移住。縁あって暮らすその土地の地域活動も、それらを通じての人付き合いも「北海道暮らし」として楽しんでもらえれば、難しいものとは感じませんよ。
今回の記事は少々センシティブな内容ですので、考えの違いや違和感を覚えられる方もおられることでしょう。どうぞお許しください。
移住をお考えのみなさまに、少しでもお役に立てたらうれしいです。
ふだん私は、北海道が大好きになって、「いつかは北海道、道東に住んでみたいな…」と思われた方が有意義に感じてもらえるようなブログ記事を書いています。
北海道移住ブログ「なーしぃのひとりごと」を、よろしくお願いいたします。