道東には「日帰り」で登れる低山が数多くあります。
レンタカーやバスツアーなどで行く展望台からでは見ることの出来ない、自分で歩いてこそ見ることの出来る絶景が待っています。地元民から愛されるのもうなずけます.
もちろん「冬」にも山は存在します。
「春から秋の絶景トレッキング」は、こちらの記事で紹介していますので、こちらもどうぞご覧ください。
今回は道東絶景トレッキングの『冬バージョン』です。
私は本格的な登山経験はありません。「お散歩山専門」です。
独身時代はテントを担ぎ日本アルプスを縦走した、登山が趣味の妻についていく程度です。
そんな私でも3時間もあれば登れてしまう、北海道・道東の絶景を目のあたりにできる「絶景広がる冬のトレッキングコース」を3つご紹介します。
- 摩周湖第1展望台から、第3展望台に向かう尾根歩き
- 冬しか登ることの出来ない、モアン山(もあんやま)
- 藻琴山(もことやま)
道東、冬の絶景トレッキングを楽しむのは、少々不自由さを必要とします
車のアクセスや、駐車場にひと苦労
夜明けの遅い冬、気温マイナス15度くらいまで下がる日も珍しいことではありません。
道路も凍結していますし、冬季通行止めの道路もあります。移動にも気を使います。こちらの記事も参考にしてください。
夏と違い、除雪されいない駐車場など「夏とは違う姿」を見せるのが北海道・道東です。
トイレ問題に、ひと苦労
夏に使える公衆トイレも、水道凍結や除雪の関係で冬季は閉鎖されていることが多いです。
夏の登山やトレッキングで使えたトイレなどは、冬は使えなくなっていると考えておいたほうが無難。
駅のトイレといっても、道東・特に根室管内にはJRの駅そのものがほとんどありません。
途中のコンビニなどで買い出しの際、事前に済ましておいて、あとは水分を控えることぐらいしか対策がありません。
寒さ対策に、ひと苦労
冷蔵庫や冷凍庫のなかで遊ぶくらいの気温ですので、そりゃすべて凍りつきます。
ザックの中で凍るおにぎり、途中で飲もうとすると、半分凍っている飲み水。
もちろん雪深いと、そのままでは歩けません。それなりの防寒対策も必要です。
冷え切る体を温めるための装備、寒い雪道を歩くための専用装備。
冬の観光で来られる方は、こちらの記事もどうぞ参考にしてください。
衣服や道具の問題を乗り越えると、夏には見ることの出来ない真っ白な「絶景の道東」を見ることが出来るのです。
道東の絶景日帰り『冬』トレッキング①摩周湖第1展望台から、第3展望台に向かう尾根歩き
まず最初にご紹介するのは、弟子屈町の観光名所「摩周湖」を望みながら歩くルートです。
おすすめする理由は
- 駐車場があって、アクセスしやすい
- スタート地点にトイレ完備
- スノーシューなどの「冬歩き道具」がレンタルできる
- 何と言っても、冬しか歩けないコースで絶景が待っている
ことでしょうか。
「雪が積もる冬しか歩けない」というプレミアム感もいいですよね。
スタート地点は、摩周湖第一展望台
冬季間、川湯温泉駅側の国道391号線からは、冬季通行止めで登ってこれません。
国道243号線・摩周市街地のセイコーマートとホクレンのガソリンスタンドのある交差点から第1展望台までが除雪されています。こちらのルートでアクセスください。
なんと!スノーシューなどもレンタルできます。
冬季は外のトイレが凍結のため使えませんので、お土産が売られている摩周湖レストハウスのトイレをお借りする形になります。
さらに!レストハウス内のカムイテラスを管理している「弟子屈町振興公社」さんが、この場所でスノーシューのレンタルをされています。
ガイドはされてないようですが、正直このコースはガイドさん不要です。迷いようのない1本道ですから。
スノーシューについて詳しくは、こちらの記事をごらんください。
ルートは、駐車場の奥から第3展望台の方向に歩きます
冬季に、雪が積もっていないと歩けない尾根を、まっすぐ歩くだけです。
小さな上り、下りを繰り返しながら。
レストハウスから15分程度歩くだけで
疲れたら、引き返すだけです。第3展望台まで3kmちょっと。往復6km。片道冬歩きで2時間弱ほど。それまでの景色でも充分絶景づくしです。
尾根歩きが疲れたら、すぐ脇を走る「正規の道」である道道52号線を歩けば楽です。もちろん冬季通行止めなので、クルマも走ってきません。
事前の買い出しは、弟子屈の国道243号沿いのセイコーマートで
冬の摩周湖へ向かうには、間違いなく通るところにセイコーマートがあります
国道243号線と摩周湖に向かう道道52号線の交差点にあります。
もう少し弟子屈市街地寄りにはローソンや、ゆっくりした時間ならサツドラやフクハラもあるので、買い出しに困ることはないでしょう。
道東の絶景日帰り『冬』トレッキング②冬しか登ることの出来ない、モアン山(もあんやま)
何と言っても「冬しか登れない」というプレミアム感満載の山。
片道1時間程度で…
場所は中標津町のはずれにある、養老牛地区です。
この山については、詳しく説明した単独の別記事を用意しております。
- なぜ冬限定なのか
- そもそも、どこにあってどこからアプローチするのか
それらを含め、ぜひこちらの記事をご覧ください。
道東の絶景日帰り『冬』トレッキング③藻琴山(もことやま)
知床の山々をバックに、登っていきます。
ここはお手軽ですが、ちゃんとした「冬山登山」の場所です。
レンタルのスノーシューもありません。必要なものは全部ご自身で揃える必要があります。
当然ながら、トイレはありません。駐車場も離れ、どうしても「お手軽感」が薄れてしまうのが惜しいです。
冬は道道102号線からハイランド小清水725の駐車場までの進入路は除雪されていません。
進入路近辺に5.6台程度のクルマが停められるよう除雪されていますが、土日祝日は不可能と思っておいたほうが無難です。
数百メートル先のキャンプ場に車を停め、そこから登り始めることになります。
登山前の買い出しやトイレは、登山口に向かう前の弟子屈・東藻琴・小清水市街地で。
山で食べる行動食や飲み物は、登山口となるハイランド小清水キャンプ場へ向かう道道102号線を登る手前で購入しておく必要があります。トイレも必然的に購入の際に、お店で借りることになります。
釧路側からのアクセスの方は、弟子屈町内で。
釧路側からのアクセスの方は弟子屈(てしかが)町内にスーパー・コンビニが数件あるので困ることはありません。
北見側からの方は、美幌市街か東藻琴で。
北見側からの方は美幌市街地か、道道102号線と国道334号線の分岐になる大空町東藻琴(ひがしもこと)のコンビニを利用することをおすすめします。
知床・斜里側からは、川湯まわりになります
知床からのアクセスの方は、小清水市街地から伸びる道道587号線がアクセス道路(夏と違って、冬季通行止め)になります。
斜里から道道1115号線で清里町方面へ抜け、「道の駅パパスランドさっつる」を通過してすぐの道道805号線分岐から国道391号線に合流し、いったん川湯方面へ南下し、道道102号線分岐からハイランド小清水方面を目指してください。
道東の絶景日帰りトレッキング・登山は「熊よけ対策」を十分にお願いします!
普通に居ます。道東ですから。「冬眠しないクマ」が増えています。温暖化で雪が少なくなったことでエサに困らなくなったこと、そもそも雪が少なくて、冬眠することを忘れる(タイミングを逃す)などが理由だそうです。
命を守る最終兵器・熊撃退スプレーは妥協のないものを!
私は信頼の置けるガイドさんからすすめられたこのシリーズを、有効期限が切れないうちに「お守り」として所持しています。