北海道にバイクツーリングで訪れると、どこまでも信号のない環境や海山の大自然に魅了されるのではないでしょうか。
「北海道に住めば、毎日北海道ツーリングだなあ」と思いながら帰路につくライダー。
そして毎年夏になると、フェリーに乗って北海道をバイクで訪れるリピーターさんも多く見かけます。
いずれ旅のスタイルが変わり、レンタカーで家族で訪れるようになる方も。中にはキャンピングカーで来られる方も。
「いっそのこと、本当に住んでしまおうか」「いや、通っているからこそ北海道が好きのままいられるんだ」そんな葛藤を抱えておられる方も多いと思います。
私もそうでした。初北海道ツーリングから約8年通い詰めました。夏はバイクで。数年後は冬にも飛行機&列車&バスで。
北海道だけではなく日本一周も果たしたうえで、最終的には本当に移り住みました。
今回は「北海道移住を果たしたツーリングライダー。今はどんな感じでバイク乗って暮らしてる?」を書かせていただきました。
移住後のバイク生活のイメージを想像している方に、何か参考にしていただくところがありましたら幸いです。
年間走行距離は、5000キロ弱の北海道移住ライダーです。
きっと皆さんが、北海道ツーリングに来るだけでこのくらい走ってしまいますよね。
私の住む道東・釧路根室「別海町」は道内でも雪の少ない地域。
「北海道のライダーって、何月頃までバイク乗れるんだ?」という疑問は、どうぞこちらの記事をご覧ください。
4月の中旬、最高気温が10度になる頃に冬眠から目覚め、バッテリーの補充電やオイル交換を済ませた後のゴールデンウィークに一斉にシーズンインとなります。
知床横断道路が開通するのもこの時期。内地からの遠征組もわずかにいますが、北海道のライダーが知床・美幌峠・開陽台を独占する贅沢な時期です。
まだ朝晩は寒く日暮れも早いので、距離は伸びません。
6.7月は日の出も早くなり、朝3時には明るくなりだします。走ろうと思えば、距離はどんどん伸ばせます。
(私は既婚で子育て真っ最中ということもあり、独身時代に来ていた北海道ツーリングのように長い日程で走りこむということが出来ていません。ま、北海道を生活の場としていますので、趣味の時間に割ける時間もどうしても減りました)
8月、ツーリングのハイシーズンです。少し天気のすぐれない日が多いのですが…
9月になると秋の雰囲気が近づく中、晴れの日が増えてきます。大雪山系から初雪の便りが聞こえ始めますが、寒さに耐えれば道東では11月ぐらいまでは乗れます。このくらいの時期になると朝露で路面が凍結し、日中に洗車しても拭き取るまでの間に凍りだす気温となります。このくらいが冬眠の季節でしょうか。
冬も乗れないわけではないのですが、着こんで動きづらいし、すべって転ぶし。やっぱりバイクは暖かい時期の乗り物だと思っています。
年越しを宗谷岬で過ごす仲間が何人かいて、誘ってもらってはいるのですが道東からは遠いし…という言い訳のもと、逃げ続けています。
写真は、遊び用に1万円で買ったニュースメイト90で走る、開陽台へ続く「北19号道路」です。
内地に住んでいた時のように、年中バイクに乗れる訳では無いのが北海道です。夏や冬の長期休暇は、内地に居たころは北海道を訪れていましたが、今では逆に「実家に帰る」こともあって、北海道内を走りこむことは出来なくなってしまいましたねえ。
北海道移住後に乗っている空冷旧車には、ほんと優しい気候の道東です
大阪から移住してくる際、VFR750F(RC24)を持ってきました。ほんとに暑い日以外は、走っていても水冷のファンが回り続けるなんてことはありませんでした。
ほんとに壊れていたことがあったのですが、いつから回っていなかったのか…気づいていないくらいでした。
縁あって、こちらに住むようになってから今の愛車:CB500FOURに乗るように。
もうすぐ車齢50年を迎える旧車ですが、空冷車にはほんと優しい気候です。最高気温が30度を超える日も、朝晩は涼しいくらいです。
熱ダレを経験したことは、ほんとに暑い日に峠を越えたときに1.2回あったかなあという感じです。
信号でのゴーストップもほとんどありませんし、北海道の地方は空冷旧車にとってほんと優しい気候です。
北海道・道東に移住すると、タイヤの「北海道減り」に困ります
カーブでタイヤの端が使えていないため、タイヤの真ん中だけが減るいわゆる「北海道減り」に苦笑いです。
もともとバイクを寝かせてコーナーをひらひら走る技術もありませんので、コーナーの手前では十分減速してリーンウィズ(なんて言い方、今もするのでしょうか?)で曲がるという私です。
日帰り圏内に知床横断道路や美幌峠という、北海道を代表する絶景ロードの峠があるにも関わらず、タイヤの真ん中だけが減ります。
私のホームグラウンドは、カーブの少ない開陽台や北太平洋シーサイドラインですので。(というのは、精いっぱいの言い訳です)
北海道・道東に移住後は、バイクの冬の保管にも困りました
団地住まいの頃は、自転車置き場にカバーを掛けて。
転居後はホームセンターで売っているテント式の自転車小屋で保管しましたが、錆びが一度の越冬で一気に進みました。「え?こんなに?」というくらい。
シャッター付きのガレージを借りて、と思っても都会のような「月極駐車場」という概念が地方にはありません。
クルマ生活が当たり前な道東なので、各家庭2台程度停められる土地があるのが標準。「駐車場を借りる」という必要がないのです。
私の住む借家も、数年後にはシャッター式の車庫を建てました。
外気温がマイナス20度を超える日もある道東ですので、結露での錆びやハーネスの硬化は避けられません。
錆びないよう、冬眠前に防錆スプレーを吹いておくのですが春先に拭き取りが甘いと、熱で焼き付く悪循環。こちらの記事をご覧ください。
中には自宅の部屋の中に入れている人も居るようです。
(ガソリン臭や油の匂い、避けられないと思うのですが…)
中には断熱材でしっかり対応している、大きな車庫で冬の間に整備できる環境のある方もおられ、ひたすらうらやましい限りです。
北海道移住後は、日帰りツーリングが「北海道ツーリング」という醍醐味!
これはもう間違いない贅沢です。バイク雑誌に書かれている「道東」を散歩程度で走るわけです。開陽台は1時間掛からないですし、知床横断道路、美幌峠を日帰りで走るのも無理がないです。
ただ、走るだけではもったいないので道中の食事や季節の移り変わりを感じるために、バイクを止める時間も私は多いのです。せいぜい1日250キロくらい走れば十分です。
そんな感じなので、住んでいるからこそ手に入るフリーペーパーや新聞、口コミなどで知ったどこのツーリング雑誌も見つけていないお店や楽しめる場所を見つけながら、飽きることがなくバイクライフを楽しめています。
ちょっとバイクの整備をしたあとの試運転ですら、ツーリング雑誌に取り上げられている海岸線も峠も楽しめてしまう道東。
渋滞ゼロの道東。走っていてストレスに感じることなんて…何かあるかな?というくらい思いつかないです。
写真は北太平洋シーサイドライン。バイクはセカンドバイクのCB125K6です。
ひと休みのセイコーマートで缶コーヒーを飲んでいたら、ストレスも全部吹っ飛びますよ。
道東移住後のバイクライフは、本当に充実しています
こちらに住むようになり生活環境も変わり、休みのすべてをバイクに乗る時間にするというわけにもいきません。
ですが、内地に住んでいたころよりもバイクに乗ることが億劫に感じなくなりました。
夏も涼しいし、渋滞も無いし。バイクの盗難も聞いたことが無いですし、自転車が飛び出してくることもありません。
子どもを後ろに乗せて走っても、遊び気分で乗ってくれます。
(何度か鹿の飛び出しがあって、ヒヤリとしたことがありましたが)
出掛けても、バイクの駐車場所に困ることもありません。
類は友を呼ぶ、なのかバイクが縁の仲間が増えました。結構多いのです。バイクが趣味の人が。
あえて困りごとといえば「バイク用品店」が無いくらいでしょうか。
ホームセンターがあれば何とかなることがほとんどですが。あとはネット購入や、実家に帰った際に用を足すようにしています。
とにかく「バイクの趣味をやめよう」や「しばらく降りよう」と思ったことは一度もありません。
これは北海道・道東に住んでいるからなのかも。バイクを降りようと思う必要が無いのですから。
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
ふだん私は、北海道が大好きになって、「いつかは北海道、道東に住んでみたいな…」と思われた方が有意義に感じてもらえるようなブログ記事を書いています。下のリンクから、他の話題もご覧いただけましたらうれしいです。
今後とも北海道移住ブログ「なーしぃのひとりごと」をどうぞよろしくお願いいたします。